ファイナンス 2021年9月号 No.670
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・入国時PCR検査受検(費用160ドルは自己負担。事前予約が望ましい)・入国後14日間*2政府指定施設(Stay Home Notice(SHN)と呼ばれる)での隔離(費用は自己負担)・隔離終了前の指定された日にPCR検査を受検(費用125ドルは自己負担)陽性の場合は、3週間療養施設に隔離。◆入国後の自己隔離(SHN)はどんな感じか?私は、2020年12月半ばから翌年1月の半ばまで、1か月間、一時帰国し、日本とシンガポールの水際対策を肌で感じる機会を得ました。東京オリンピック開催に向けて、日本も水際対策が厳格化されてきているようですが、シンガポールのそれと比べると、まだまだ生ぬるいと感じられなくもありません。以下、シンガポールにおける自己隔離生活とはどんな感じなのか、以下、個人的な感想も含めてご紹介させていただきます。2021年1月某日、無事にシンガポールへ入国手続きを終えると、空港のスタッフに案内されて、来た順に15人程度のグループに分けられました(2021年7月現在、入国時にPCR検査受験が必須とされていますが、当時は、これが不要となっていました)。そして、そのグループ毎にホテルに向かうツアーバスのような大きなバスに乗せられます。そのバスには行き先は書いてありません。行き先は、着いてからのお楽しみとのこと。無事にバスが出発しました。グーグルマップを起動し、現在位置からホテルを推測し始める人もちらほらいます。シティ方面にバスは向かいます。バスはそのままぐんぐん進み、ノベナを通過し、オーチャードへ向かう道を左折しました。「これは、オーチャード付近なのかな!?」と途端にざわつき始める車内。そんなドキドキな中、バスが到着したのは、5つ星の某ホテル。車内に欧米の方の歓声が上がったのを覚えています。ホテルに到着すると、バスからスーツケースを降ろすホテルスタッフの姿が。スーツケース1つ1つに丁寧に除菌スプレーを*2) デルタ株等の変異株は潜伏期間が長いという懸念から、2021年4月下旬から、高リスク国・地域からの入国には21日間の隔離を設けてましたが、導入後、270件の輸入症例を確認し、全ての潜伏期間は14日間に収まっていたことから、同年6月21日より、政府は、隔離期間を21日間から14日間に戻すことを決定しています。吹きかけています。それが終わった後に、1人1人降車し、丁寧に全身にスプレーを吹きかけられます。徹底した除菌管理でした。その後、ロビーへ通されて、チェックインの書類を書きます。名前や国籍、パスポートナンバー、FINナンバー(ID)を記載しました。SHNに関する注意事項が書かれた紙とルームキーが配られ、部屋へと案内されます。因みにSHN費用はS2,000ドル(約16万円ほど)です。朝昼晩の3食付きですが、ホテルの部屋に缶詰めされます。部屋の窓も締め切りで開けることも出来ません。これを高いとみるか安いとみるか、微妙な感じがします。その後、部屋へ案内されました。部屋の前の廊下はこのような感じでした。各部屋の外にテーブルがセットしてあります。このテーブルに毎日3食ホテルのSHN用の食事が届けられます。そして、部屋のルームキーは一度使うと二度と使えない仕様となっています。つまり、隔離中に部屋の外に出てしまうと二度と部屋に入れないということです。さすがシンガポール、管理が徹底しています。気になる部屋の様子は、以下のような感じでした。52 ファイナンス 2021 Sep.連載海外 ウォッチャー

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