ファイナンス 2021年9月号 No.670
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レやシャワーを共有する集団生活を余儀なくされ、感染が広がりやすい環境にいることが理由と見られ、シンガポール政府は外国人労働者へのPCR検査を強化して全容を把握するとともに、新たな寄宿舎の建設を進め、感染者抑制を目指しました。同年の4月7日~6月1日の間、コロナ感染を防ぐために、部分的ロックダウンであるサーキットブレーカー措置が取られました。この期間は学校、オフィス・店舗(特例もあり)も閉まり、飲食店は持ち帰り・デリバリーのみ対応、運動や食品の買い出し等以外の不要不急の外出は認められず。この抑え込み措置は、耐え忍ぶ2カ月でしたが、コロナ感染者数を激減させる効果がありました。(下記図表参照)◆厳格な水際対策を実施シンガポール政府は水際対策を定期的に見直し、渡航者からの感染の輸入及びコミュニティへの感染リスクを管理しています。より厳格な水際対策を講じることで、予防的かつプロアクティブにコロナ対策に取り組んできていると思われます。2021年7月19日現在、シンガポールへの入国規制措置は、以下のようになっています。・長期滞在パス(労働パスおよび帯同者パス(EP、S Pass、DP等)を含む)所持者以外は入国不可。長期滞在パス保持者も、(再)入国には当局の事前承認が必要(承認を得ずにシンガポールに到着した場合、滞在パスの永久剥奪等の処分の対象となる)。・出国前72時間以内にPCR検査を受検し陰性の証明書を取得(入国審査時必要)図表 ASEAN+3メンバー国の新型コロナ感染者の推移(7日間移動平均)060,00050,00040,00030,00020,00010,000IndonesiaMalaysiaPhilippinesJapan20-Jul-2120-Apr-2119-Jan-2120-Oct-2021-Jul-2021-Apr-2021-Jan-2020-Jul-2120-Apr-2119-Jan-2120-Oct-2021-Jul-2021-Apr-2021-Jan-20014,00012,00010,0008,0006,0004,0002,000KoreaThailandChinaSingaporeMyanmarVietnamCambodiaHong Kong06,0005,0004,0003,0002,0001,000Lao PDR20-Jul-2120-Apr-2119-Jan-2120-Oct-2021-Jul-2021-Apr-2021-Jan-20(出所)AMRO Covid monitor July 16, 202 ファイナンス 2021 Sep.51海外ウォッチャーFOREIGN WATCHER連載海外 ウォッチャー

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