ファイナンス 2021年8月号 No.669
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また、平成30年度税制改正で大法人の電子申告義務化(令和2年4月以後開始事業年度から適用)が実施されたことから、大法人の法人税・消費税の申告は電子申告の利用率は100%となる。さらに、令和2年度税制改正では、グループ通算制度が導入(令和4年4月以後開始事業年度から適用)された。加えて、グループ通算制度適用法人の法人税の電子申告が義務化されたことから、グループ通算制度適用法人の法人税の申告は、電子申告の利用率は100%となる予定となっている。一方で現在は電子申告義務化の対象となっていない中小法人は、将来的に電子申告の義務化が実現されることを前提として、電子申告の利用率100%を目標としているが、早期に法人全体のオンライン利用率を向上させるため、令和5年度末までに90%超を目標値として設定した。目標達成へ中間KPIと アクションプランを設定国税納付については、令和元年度の年間手続件数44,844,944件のうち、オンライン件数は11,476,233件でオンライン利用率(キャッシュレス納付割合)は25.6%となっている。「オンライン利用率引上げの基本計画」では、これを令和7年度末までに40%へ引き上げることを目標にしている。これらの目標を達成するためにアクションプランと中間KPIが設定されている。また、スコアカードを作成し計画の進捗状況を視覚化するとともに、原則四半期ごとに更新・公表していく予定。さらに、利用者目線での第三者チェックも予定している。窓口納付の納税者を対象に 理由等のアンケートを実施国税庁では、年間を通じてe-TaxのUI/UXに関する利用者のアンケートを実施し、その結果を毎年8月に公表している。この取組を継続するほか、新たな取組として、e-Taxを利用していない法人・税理士や金融機関窓口で国税の納付を行っている納税者を対象に、その理由等に関するアンケートやヒアリングを実施する。このアンケート等は、毎年、法人の申告や納付の件数が多い5~6月を目途に行うこととし、その結果は従来のe-Taxに関するアンケートと併せ、8月を目途に公表する予定となっている。オンライン利用率を引き上げる際の課題と課題解決のアクションプラン対象法人税申告消費税申告(法人)国税納付国税納付課題大企業=電子申告の利便性の周知中小企業=e-Taxの更なる利用促進ダイレクト納付を中心に、関係民間団体や金融機関と連携した利用促進が必要納税者のニーズや技術動向を踏まえ、納税者の利便性の更なる向上が必要中間KPIオンライン利用率を令和3年度末までに88%、令和4年度末までに89%※中間KPI=オンライン申告件数/全申告件数令和5年度末までに、ダイレクト納付の利用届出の累計提出件数476,792件※中間KPI=ダイレクト納付の利用届出の累計提出件数令和5年度末における、スマートフォンを使用した決済サービスによる納付件数40万件※中間KPI=スマートフォンを使用した決済サービスによる納付件数アクションプランa税理士や未利用者への個別勧奨や関係団体等を通じた利用勧奨、リーフレット等による周知・広報を行う。関係民間団体、金融機関及び税理士を通じた利用勧奨、説明会の開催や金融機関窓口等へのリーフレットの備付等による周知・広報を行う。スマートフォンを使用した決済サービスの利用が拡大していることを踏まえ、同サービスによる国税の納付を可能とする。アクションプランbe-Taxへのログイン方法の改善を検討する。ダイレクト納付の利用届出(振替納税の依頼)のオンライン手続の利用可能金融機関を拡大する。―アクションプランc―国税及び地方税のキャッシュレス納付割合を向上させるため、金融機関や総務省等と意見交換会を定期的に開催し、協働して対応策を検討・実施する。― ファイナンス 2021 Aug.5令和7年までに40%へ国税のキャッシュレス納付拡大に向けた国税庁の取組特集

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