ファイナンス 2021年8月号 No.669
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自然豊かな歴史の里安芸税務署 総務課長阿部 ひとみ1はじめに安芸税務署は、明治29年に設置され、安芸市、室戸市及び安芸郡4町3村の9市町村を管轄しています。管轄区域は高知県の東部に位置し、署が所在する安芸市は、高知市から東へ40Kmの位置にあり、東部の拠点都市として、国・県の出先機関が設置されています。冬・春なすの施設園芸野菜栽培、ゆずなどの柑橘栽培及び漁業(遠洋・近海・サンゴ)といった第一次産業が盛んです。近年では、ゆずの加工品や室戸海洋深層水を使用したコラボ商品が次々と開発され話題になっています。2管内の名所・話題〔土居廓中・武家屋敷〕安芸市土居廓中は、江戸の風情が今なお残る、歴史的建築群です。昔のままの街並みに竹やうばめ樫の生垣に囲まれた武家屋敷があり、今もひっそりと当時の風情を残しています。現在唯一、一般公開(無料)されている野村家住宅は現存している建物の中で最も古く1830年ごろに建築されたと推定されています。武者隠しという3尺程度の壁をもち、玄関脇の平次門を入ると小さな庭があり、その先は菜園となっています。〔伊尾木洞〕安芸市国道からわずか数十メートル入ったところに突如あらわれる空間。まるで数万年前の時代にタイムスリップしたかのような神秘的な景色が目に飛び込んできます。足元を浸すほどの水が流れるうす暗い洞内を進むと、急に空が開け、シダの群生と木漏れ日が美しい、幻想的な景色が広がります。シダの生い茂るこの天然の洞穴は、周辺が海だった頃、波の浸食することにより出来た天然のものです。洞の壁には貝の化石がみられるところもあり、高さ約5m、幅約3m、延長は約100mに及びます。この洞周辺の壁面と、その先の渓の岸には熱帯性シダ類を中心に、確認されているだけでも約40種類ほどのシダが自生しています。1ヵ所に多くの種類のシダが共生しているのは、とても珍しいとされており、シダ群落すべてが国の天然記念物に指定されています。安芸署74 ファイナンス 2021 Aug.連載各地の話題

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