ファイナンス 2021年8月号 No.669
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徳島県「眉の如雲居に見ゆる阿波の山かけてこぐ舟泊知らずも」万葉集にも詠まれている「眉び山ざん」は徳島市のシンボル。どの方向から見ても美しい眉の形をしているため、この名前で呼ばれています。標高290mの山頂にある「眉山公園」は桜の名所としても知られており、展望台からは市内を流れる数々の川はもちろん、広がる徳島市街地や紀伊水道の大パノラマが堪能できます。山頂までは、ドライブコース、ロープウェイ、ハイキングルートが整備されており、気軽に訪れることができます。〔徳島ラーメン〕徳島を代表するご当地グルメの一つです。豚骨ベースに濃厚しょうゆを組み合わせた茶系のスープに豚バラ肉、生卵をトッピングして、白ご飯と合わせるのが鉄板の組み合わせです。茶系の他にも白系、黄系の計3種類のスープがあり、どれも濃厚で深い味わいです。徳島市内だけでも100軒を超えるお店があると言われています。3管内の話題〔ゼロ・ウェイスト〕管内の上勝町では、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)宣言を行っています。ゼロ・ウェイストとは、無駄・ごみ・浪費を無くすという意味で、ごみをどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さない社会を目指す考え方で、町のごみをゼロにしようと、地域資源を活用した、ごみを出さない仕組みづくり、人づくりを行っています。ごみになるものがほとんどなくて、快適でストレスなく暮らしていける、資源を循環して美しい地球がいつまでも続いていくという社会、ゼロ・ウェイストな社会をめざしています。その考えを象徴する施設、「ゼロ・ウェイストセンター」は、不思議な形(上からみると「?」の形)をしていますが、町内の人が持ち込み、自分で分別(45分別)するごみステーションと、自分には不要だけど、まだ使えるものを持ち込み、無料で持ち帰ることのできるリユースショップ、交流スペースやオフィス、ゼロ・ウェイストアトラクションを体験できるホテル等が備わっており、アートで機能的な建物となっています。また、上勝町では、山の樹木を生かし、町で採集した植物の葉などを、料理店で使用される料理を引き立てるための「つまもの」として販売を行う「葉っぱビジネス」を事業化しました。今では、露地やハウスで自家栽培し、高品質・安定供給を維持し、約300種のつまものを商品化し、全国の市場の8割のシェアを誇り、海外への輸出も始めています。葉っぱビジネスは高齢者がパソコンを使って生き生きと働ける仕組みづくりが魅力で、「人生、いろどり」というタイトルで映画にもなりました。自然を生かし、自然と共存し、地方ならではの特色を生かした産業の発展を行っている町で、地方で生まれ育ち、都会で働いた人がUターンしたり、都会からIターンする人も増えています。高齢者も生涯現役で働くことができ、医療費も少ないといった、地方のモデルケースを見ることができる地域でもあります。【写真提供】徳島市にぎわい交流課、上勝町70 ファイナンス 2021 Aug.連載各地の話題

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