ファイナンス 2021年8月号 No.669
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1はじめに徳島税務署は、全国に税務署が設置された明治29年11月に徳島税務署として設置され、昭和22年3月に現在の地の徳島市幸町に庁舎が設置されました。現在の庁舎は、昭和37年に完成し、平成になり、バリアフリー設備整備工事、耐震工事を行い、令和の現在、まもなく60年を迎えようとしています。管轄区域は、東部を紀伊水道に臨む徳島市、小松島市、吉野川南岸下流域の石井町、四国山地に源を発する勝浦川流域の勝浦町、上勝町、四国山地に接する神山町、佐那河内村の2市4町1村であり、総面積は660.66km2、人口は約33万人となっています。2管内の特色〔吉野川〕かつては、日本三大暴れ川と謳われ、四国三郎の異名をもつ、吉野川のめぐみなくしては語れません。吉野川は、石鎚山系の亀ケ森を水源に総延長194kmにものぼる一級河川です。河口は幅1.3kmにも及び、思わず海と勘違いしてしまうほどのスケールですが、その昔は、毎年のように洪水が発生し、災害に悩まさていました。しかし、その川の氾濫によって流域に肥沃な土が運ばれ、沖積平野を形成し、江戸時代から藍作を中心とする職業的農業が発展してきました。今はもう藍畑をほとんど見ることはできませんが、これに代わって、野菜や果物などの農業生産が盛んに行われており、「関西の台所」とも呼ばれています。徳島県でみると、春夏にんじんや生シイタケ、すだちなどの出荷量は全国1位となっています。レンコンや洋ランも全国上位となっていますし、阿波牛、阿波とん豚などのブランド肉も有名です。特にすだちは、さわやかな酸味と緑色の皮をもつ、徳島原産の香酸かんきつで、全国シェアの9割以上を占め、食卓に欠かすことのできない農産品です。徳島県のマスコットキャラクターも「すだちくん」になっています。すだちは食べ物に添えて酢やレモンと同じような使い方をしますが、ジュースやお酒にもなり、皮は薬味として使えます。すだち酒、すだち酎はおすすめです。他にも徳島で誕生した地鶏の阿波尾鶏は、身がしまって適度な歯ごたえがあり、脂肪が少なくうまみとコクのある味が特徴です。名前の由来は地鶏の尾羽の美しい姿を阿波おどりと掛け合わせて命名されたとか。吉野川のめぐみと阿波おどり 徳島徳島税務署 総務課長有満 正登徳島県68 ファイナンス 2021 Aug.連載各地の話題

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