ファイナンス 2021年8月号 No.669
20/84

6月4日から6月5日にかけて、G7財務大臣会合(G7)が英国ロンドンにて開催されました。本会合は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、初めて対面開催されたG7であり、同時に2020年2月*1以来約1年半ぶりの麻生大臣の海外出張となりました。会合では、議題としてデジタル課税、経済政策、気候変動、保健、また低所得国支援等について議論されました。また会合の合間に、本年1月末に就任したジャネット・イエレン米国・財務長官や議長のリシ・スナク英国・財務大臣をはじめ、各国財務大臣や各国際機関の代表とのバイ会談も数多く実施されました。以下では、今回の麻生大臣訪英の概要について、新型コロナウイルス感染拡大後という特殊な状況での海外出張という点にフォーカスしてご紹介させていただきます。1コロナ危機下ならではの風景新型コロナウイルス感染拡大以降の必需品と言えばマスクです。今回のG7でも、英国政府より各国代表団に公式マスクが配布されました。英国ではワクチンの接種が進んでおり屋外ではマスクを着用しない人も多いものの、今回のG7の会場内ではマスクの着用が義務付けられました。多くの参加者は、会場内で会合やバイ会談に参加している間、基本的にこの公式マスクを着用していました。新型コロナウイルス感染症が収まらない中で開かれたG7ならではの象徴的な光景でした。また閣僚同士の挨拶は通常握手ですが、今回は英国政府より、感染防止のため肘と肘を突き合わせる「エルボー・グリーティング」を行うことを要請されました。麻生大臣も、多くの閣僚とエルボー・グリーティ*1) 麻生大臣は、2020年2月22-23日にサウジアラビア・リヤドで開かれたG20財務大臣・中央銀行総裁会議へ参加されました。ングを交わし、親交を深められました(写真(1))。国際会議で通常撮影されるファミリー・フォト(参加閣僚陣の集合写真)は、一定の距離を開けて撮影されました(写真(2)、距離を開けた上でマスクは外しています)。更に、会場内にはアクリルパネルが複数設置され、会談に用いられる部屋にも定期的に消毒・清掃が入るなど、会合期間中は終始感染対策が徹底されていました。写真(1)写真(2)前大臣官房秘書課財務官室主任 小山 祥子/前国際局国際機構課企画係長 竹谷 綾新型コロナウイルス感染拡大後の海外出張について(G7財務大臣会合、2021年6月4、5日、於:英国ロンドン)16 ファイナンス 2021 Aug.SPOT

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る