ファイナンス 2021年7月号 No.668
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TOPICSテレワークスペースの確保に団地内の集会場を活用UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)には、主に(1)都市再生、(2)賃貸住宅、(3)災害復興の3つの業務がある。これらの事業を実施するには、比較的短期の民間金融機関からの借入では対応が難しいことから、長期・低利での資金調達を可能とする財政融資資金からの融資が利用されている。このうち(2)の賃貸住宅事業ではコロナ禍に対応した取り組みを展開している。UR都市機構が管理する賃貸住宅(「UR賃貸住宅」)は約1,500団地、71万戸に及び、入居している人の数は約130万人に上ることからUR都市機構はコミュニティの形成者としての役割も担っているといえる。従来からUR都市機構はUR賃貸住宅の管理者としてさまざまな取り組みを行っているが、コロナ禍に対応し、団地内の集会場等を活用したテレワークスペースの提供を始めた。コロナ禍では、一気にテレワークが浸透したが、自宅でワークスペースを確保するのが難しいケースも多い。それを解消するため、集会場等を活用しているわけだ。令和2年度の途中から開始して、すでに900件程度の利用実績がある。同様にテレワークの浸透などで職住接近が進み、団地内に昼食需要が広がっていることを受けてオフィス街などによくみられるキッチンカー等を団地の敷地内に誘致し好評を得ている。UR都市機構の3つの事業1都市再生まちが抱える課題を解決するため、公平性・中立性を生かし、民間事業者や地方公共団体、地域と連携して都市再生を推進している。2賃貸住宅UR賃貸住宅により、高齢者や子育て世代など多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち「ミクストコミュニティ」の実現をめざしている。3災害復興阪神・淡路大震災以降に培った復旧・復興の経験を生かして、東日本大震災や熊本地震など、日本各地で発生した大規模災害からの復旧・復興を全力で推進している。コロナ禍に対応した都市機能や賃貸住宅の役割を再構築UR都市機構の取り組み8 ファイナンス 2021 Jul.

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