ファイナンス 2021年6月号 No.667
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各地の話題回収桶は週2回の回収日前日に配置されるため、動物に荒らされることも、においが気になることもありません。この仕組みにより、水分を多く含み重量が嵩む生ごみが可燃ごみから無くなることで、可燃ごみの焼却処理量が減少し、余分なエネルギー消費もなくなります。現在、隣接市と共同建設中の新ごみ焼却施設整備事業費の負担割合や、稼働後のごみ処理負担額の削減効果も期待されています。生ごみ投入の様子3廃校の有効活用「ルフラン」(処理施設)は、2016年に廃校となった旧山川南部小学校のグランドに建設されています。校舎を改装して、処理施設の管理室のほか、食品加工室、シェアオフィス、チャレンジ施設(カフェスペース)等を整備しています。個人では導入困難な高機能調理器具が設置された食品加工室で、地元食材を生かした6次化商品を製造し、チャレンジ施設で販売することも出来ます。カフェスペースでは、開業を目指す方などが日替わりで食事や喫茶を提供し、人が集まる賑わいの場となっています。また、「ルフラン」の見学や視察に多くの方が訪れており、注目を集めています。(参考:2019年度 150団体2,254名)廃校を活用することで、整備コストの抑制に加え、地元住民の思い出が詰まった校舎を賑わいの場として再生することを目指しているそうです。カフェスペース4おわりに ~効果~本施設の整備事業費は、国の補助金と財政融資資金を活用しています。本施設の稼働により、ごみ処理にかかる事業効果はもとより、CO2排出量について、従来のままごみ焼却等の処理を行った場合の2,328t/年に対して、本施設で処理した場合316t/年まで低下することで、地球温暖化防止に貢献しています。また、本施設やごみ収集など資源循環過程において様々な雇用を生み出しているほか、施設電力の不足する分については、みやまスマートエネルギーから購入することで、電力の地産地消にも繋がっています。さらに、市民の協力のもと、より多くの生ごみを分別回収、生ごみからから液肥を生成、液肥を使った農産物を多く育て、農産物が食品加工・調理され、再び生ごみとなる、資源の循環が生まれています。エネルギーは地産地消で地域内経済を循環させる地域一体となった「資源循環」のまちづくりが、今後も多くの人を巻き込み、さらに成長していくことを期待しています。写真及び参考資料提供:みやま市 ファイナンス 2021 Jun.87連載各地の話題

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