ファイナンス 2021年6月号 No.667
86/94

妙高市3「非日常が学びの場」妙高ワーケーションづくり自然を生かした妙高ワーケーション具体的な取組として、2020年度は「ワーケーション」事業を進めてきました。行政だけでは継続的に推進することが難しいことから地域側の受け入れ体制が必要であること、首都圏等の企業との接点が少ないこと、という課題を踏まえ、旅行業を有し、市内で教育体験旅行やアクティビティを提供している「妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会」からその役割を担ってもらうこととし、2020年6月から「妙高ワーケーションセンター」を立ち上げ、地域側の受入れ体制をスタートさせました。また、観光分野以外での新たな都市需要の掘り起こしが必要であることから「観光地があるからワーケーションに来てほしい」というPRにとどまらないワーケーションのプログラムづくりが重要であると考え、当市の豊かな自然等を生かした人材育成、地域課題解決などにより、企業の生産性向上に寄与したり、社員の人材育成が図られたりといった企業視点で価値を提供することのできる「ラーニング型ワーケーション」を目指していくこととしました。プログラム開発においては、多くの首都圏等の企業と企業研修としての接点を持ち、ワーケーションを中心に事業展開を行っている「株式会社日本能率協会マネジメントセンター」とワーケーション事業の実施に向けた包括連携協定を締結し、ともにワーケーションを推進しています。2021年度からは、妙高の自然を生かし、想定外での対応力を学ぶことができるラーニング型ワーケーションプログラム「Here There」の商品販売を開始します。4今後の取組コロナ禍によるオンラインやデジタルシフトにより、地方と首都圏企業・人材は、あらゆる距離を縮めることができる可能性があり、それは、企業、地域・社会にとって真に有益な「新しい価値」を創造することができるものと考えています。当市は、この新しい価値を求めて、行政だけではなく、地域や企業と共に「新たな人の流れ」の創出を目指した取組を進めていきます。「COOLでHOTな街“妙高市”」を応援します地方創生コンシェルジュ関東財務局新潟財務事務所長 山岸徹妙高市は日本有数の豪雪地帯でもあり、「雪=“寒い”」との印象をお持ちの方も多いかと思いますが、一方で豊かな自然を活かした四季折々の体験ができます。昨年、本市の入村市長をはじめ職員の方々と対談する機会があり、首都圏からの利便性、魅力ある地域資源を活用した様々な取組・構想について、“熱い”想いを伺いました。観光業を中心に非常に厳しい状況にある中、コロナ禍をチャンスと捉え、ミライを見据えた新しい価値の創造にチャレンジする妙高市を今後も応援していきます。82 ファイナンス 2021 Jun.連載各地の話題

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る