ファイナンス 2021年5月号 No.666
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3 転:100km超距離が100kmを超えると、20km/h巡航ペースでも休憩込みで6時間は見ておく必要があり、食事やトイレもコースに組み込むことになります。道路が空いていればいるほどペースも安定しますので、できるだけ早朝に出発すると吉。これからの時期は、涼しいうちに距離を稼ぐ意味もどんどん大きくなってきます。また、携行品についても、飲食物(糖分・水分に加え、この距離ではミネラルやアミノ酸にも気を付けましょう)に加え、パンクに備えた予備のチューブを加えたいところです。《モデルコース》荒川サイクリングロード荒川河畔は首都圏サイクリストに最も愛されているコースのひとつで、一般の理解としては、起点を河口として、熊谷までの約90kmの区間を指します。このうち、任意の区間を往復すると、各人の技量・体力等に合わせたコースを組むことができます。わたくしの場合ですと、葛西臨海公園まで20km弱といったところなので、彩湖までの40km弱を往復すると、100km超のコースになります(既述のとおり、都心から東部を起点とする際には、こちらが100km以下のコース例となり、多摩湖が100km超のコース例になります)。河川敷なので坂はなく、人気コースなのでネットで検索すれば食事やトイレの情報は簡単に入手できる等、初めての100km超にも易しいコースですが、2点、注意すべき点があります。ひとつめは、「サイクリングロード」と呼ばれるものの、上記区間は制度的には「緊急用河川敷道路」であり、自転車専用ではありません。残念ながら、歩行者とのトラブルが多発しているので、自分の安全は当然として、すれ違う自転車・歩行者から見ての安心にも十分留意してください。もうひとつは、葛西臨海公園への移動は湾岸道路(国道357号)を使うことになりますが、トラックがひっきりなしに通る道路で、はっきり言えばなかなか怖いのです。安全に必要な場合の歩道通行は道交法上認められていますので、歩行者優先・徐行を厳守の上で、歩道をためらわずに使わせてもらいましょう。4 結:センチュリーライド(160km)わたくしが走破した最長距離がこちらです。センチュリー=100、ホノルルで行われている最長100マイルのサイクリングイベントの名称で、日本各地でもこの名を冠したイベントが開催されています。イベントの場合、制限時間が設けられていますが、わたくしのように勝手に160km走る分にはそんなものはありませんので、自分のペースで無理せず走ることができます。食事や休憩込みで10~12時間ぐらいがわたくしにとってはちょうどいい感じでした(イベントだと、8時間制限もあります)。《モデルコース》三浦半島一周東京から横浜を経由して横須賀から海沿いをぐるっと走り、鎌倉から半島を横断して横浜に戻って東京へ、というのが概要です。スタート地点によっては160kmに届かない場合もあり、「センチュリー」にこだわるなら、どこかで調節しましょう。例えばわたくしは城ヶ島にはわたりませんでしたが、城ヶ島灯台まで足を伸ばせば5kmぐらい距離を稼げます。東京から横浜までは、第一京浜と国道1号が選べますが、わたくしのように往復で景色を変えたい、などという物好きでなければ、第一京浜一択です。ほぼまっ平で信号も少なく、サイクリングに最適です。わたくしは、疲れるであろう復路に第一京浜を充て、往路は国道1号を進みました。三浦半島に入ると、アップダウンは避けられません。道幅も狭くクルマとのすれ違いにも神経を使うようになるので、スピードより風景を楽しむ気持ちを大切にして、休憩をこまめにとりましょう。わたくしの場合、鎌倉からの山越えですべての余裕がなくなったものの、最後は気持ちだけで足を動かして何とか走り切ることができました。しかし、限界にならない保証はなく、いざという時のリタイヤをどうするかは、事前に考えておきましょう(本ルートは、横浜まで帰ってくれば金で何とかなります(自転車店で輪行(自転車を鉄道等で運ぶこと)に必要なバッグ等を買って公共交通機関で帰る、等))。5 余:東京湾一周首都圏の少なからぬサイクリストが走破する200km超、一日がかりのロングライドです(神奈川県久里浜・千葉県金谷間はフェリー移動)。いつかそのうち、と考えている間にもうアラフィフ、年を重ねるごとに体力は衰えていくのだから、早めにいかないと! ファイナンス 2021 May.73自転車通勤で「なろう」になろう!?あぷらいど!連載自転車通勤で 「なろう」になろう!?

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