ファイナンス 2021年5月号 No.666
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からなる薄っぺらで尖った世相を見ると、ため息が出る。華蔵寺の石碑を建てた吉良の人たちの思いに感ずるところ切なるものがある。時計を見るともう5時近い。吉良三人衆に思いを馳せてばかりもいられない。そろそろ夕食の準備にかかろう。献立は、ねぎと牛肉のスープにチャプチェと石焼ビビンパだ。チャプチェは本来春雨で作るものだが、家の者がチャプチェは太ると難色を示すのでしらたきで作ってみた。意外にもなかなか美味。世の中ではカロリーを気にする人も多いようで、家人が言うにはしらたきのチャプチェは結構流行っているらしい。もっともご飯を山盛りにした石焼ビビンパで、しらたきへの置換によるカロリー節減効果は完全に相殺されてしまった。本当はもう1品カルビ焼肉ぐらい食べたかったが、久しぶりの韓国飯で一応満腹。さてと、夜は久しぶりに二代広沢虎造の清水次郎長伝の荒神山の段あたりをゆっくりと聴くことにしよう。〈材料〉 しらたき400g、輸入牛ロース薄切り120g(細く切り、ごく軽く塩、胡椒する)、玉ねぎ半個(細く切り)、人参半本(3ミリ角程度に細く切る)、きくらげ半袋(水に戻し食べやすい大きさに切る)、椎茸4本(石突を取り薄くスライス)、ピーマン1個(細切り)、いりごま(白ごま)、一味唐辛子、合わせ調味料(醤油大匙1、砂糖大匙1、酒大匙2、焼肉のたれ大匙1、おろしにんにく小匙1)(1)しらたきを食べやすい長さに切り、湯通しして笊にあげる。さらにフライパンで乾煎りし、醤油、酒各大匙1を振り、かき混ぜてから、ボウルなどに取る。(2)フライパンにごま油大匙2をひき、中火で牛肉を炒めほぐす。牛肉の色が変わり始めたら、人参と玉ねぎを加えて1分炒め、椎茸、木耳を加えてさらに1分炒める。(3)ピ-マンを加え、合わせ調味料半量を振り1分炒めたら、しらたきを投入し、合わせ調味料の残りを振って、強火で2分混ぜながら炒める。途中で一味唐辛子少々を振る。(4)味見して、味が薄ければ、醤油と焼き肉のたれで整え、皿に盛りつけ、いりごまを振れば完成。* 生椎茸、ピーマン、一味唐辛子に代えて、水で戻した干し椎茸、韮、糸唐辛子を使ったりするとさらに本格的な感じが出る。しらたきのチャプチェのレシピ(4人分) ファイナンス 2021 May.71新々 私の週末料理日記 その45連載私の週末 料理日記

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