ファイナンス 2021年4月号 No.665
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各地の話題八戸市庁、市役所ではありません7青森の国宝は八戸にあり!青森県には国宝が3つありますが、それらは全て八戸にあります。1つ目は「合掌土偶」で、約3,500年前の縄文時代の住居跡から発掘されました。顔料やアスファルトによる補修跡が残っており、当時の風俗を知るうえで価値が高いと評価されています。市内の遺跡からは、木製品や漆を使った製品なども多数出土しています。残る2つは櫛引八幡宮所蔵の「赤あか糸いと威おどし鎧よろい」と「白しろ糸いと威おどし褄つま取どり鎧よろい」です。前者は鎌倉時代の、後者は南北朝時代のもので、装飾性の高さや保存状態のよさは一見の価値ありです。8三社大祭とえんぶり夏の八戸を彩るのは三社大祭です。享保6(1721)年以来約300年の歴史を持ち、大型で仕掛けを凝らした豪華な山車が市内中心部を運行します。祭りが近付くとお囃子の練習をする子どもの声があちこちから聞こえ、本祭の8月1日を休業とする会社もあります。えんぶりは毎年2月17日から行われる豊作を祈念した行事です。長さ60cm近い特徴のある烏帽子を被り、農具由来の棒などを持って舞います。舞うことを「摺する」と言いますが、朳えぶりという農具で田をならすことを「摺る」と言ったことに由来します。いずれもコロナで中止となってしまったのは残念でなりません。八戸三社大祭国宝「合掌土偶」 (八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館所蔵)国宝「赤糸威鎧」(引八幡宮所蔵)国宝「白糸威褄取鎧」(引八幡宮所蔵) ファイナンス 2021 Apr.81連載各地の話題

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