ファイナンス 2021年4月号 No.665
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ルピア(日本円で約800円)です*6。こうなってくると財布の厚みに影響が出てきます。例えば飲み会。5,000円程度の飲食をする場合、日本はお札1枚程度で済みますが、インドネシアの場合は6枚*7。場合によっては、小銭が必要になってきますが、日本の硬貨に比べるとインドネシアのそれは非常にデカい!こうした理由もあって、インドネシアでは電子マネー化のメリットが日本に比べて非常に大きく、改革が進みやすいのだと思います*8。電子マネーはほんの一例ですが、途上国であるがゆえに、既存のインフラにとらわれることなく新しいテクノロジーを導入していく姿勢は、インドネシアがいかに勢いをもった可能性の大国であるか、ということを強く実感します。*6) こうした背景から、インドネシアではデノミの話がよく出てきますが、今ひとつ進んでいません。*7) イスラム教徒が多い国だけ合って、お酒が飲めるようなお店ですと、結構高くつくことが多いです。涙*8) これ以外にも、金融包摂の遅れなどが電子マネー普及の一因であるとする意見もあります。 3 新型コロナウイルスとインドネシア先ほど少し触れましたが、2020年は約20年ぶりのマイナス成長を記録しました。これまでは2019年頃までの比較的元気なインドネシアについて紹介させていただきましたが、本章では当地における新型コロナウイルスの感染状況と対策、今後の課題について紹介させていただきます。(1)概要インドネシアで新型コロナウイルスの初感染が確認されたのは2020年3月2日。その後は他国同様に右肩上がりの感染者数増加が続いており、2021年3月10日時点で累計感染者数1,398,578人、死者数37,932人に上るなど累計感染者数・死者数は東南アジア最多を記録する事態となっています。感染を抑制するために、インドネシア政府は大規模な行動制限を実施、また外国人の原則入国禁止などの措置をとってきましたが、足下では依然として感染が拡大しており、ピークは越えたものの感染状況は収束に向かっていない状況です。インドネシアはイスラム教徒の多い国ですが、出張者も多いので、結構お酒が飲める店があります(その分割高ですが)。たとえば大使館の北に位置するコタ地区では、昔から華人の経営する中華料理店が数多くあり、本場さながらの中華料理(と酒)を味わうことができます。そしてその帰りにコブラの串焼きを食する、というのも非日常感があって楽しいです(コロナが明けないとできませんが・・・)。これがこうなるコラム2インドネシア駐在の楽しみ(2) ファイナンス 2021 Apr.57海外ウォッチャーFOREIGN WATCHER連載海外 ウォッチャー

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