ファイナンス 2021年4月号 No.665
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療支援病院に紹介状なしで外来受診した場合に定額負担(初診5,000円)を求めている制度について、地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」のうち一般病床200床以上の病院に対象範囲を拡大するとともに、より外来機能の分化の実効性が上がるよう、保険給付の範囲から一定額(例:初診の場合、2,000円程度)を控除し、それと同額以上の定額負担を追加的に求める。(待機児童の解消)○ 待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を進めるため、「新子育て安心プラン」を取りまとめる。具体的には、令和3年度から令和6年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備する。○ 「新子育て安心プラン」に基づき令和3年度から令和7年度に増加する保育の運営費等(1,440億円程度)については、公費に加えて、経済界に協力を求めることにより安定的な財源を確保する。(事業主拠出金制度の拡充)○ 「新子育て安心プラン」に基づき令和3年度から令和7年度に増加する保育の運営費(0歳~2歳児相当分)に充てるため、事業主拠出金制度を拡充し、拠出金の追加拠出の上限を1,000億円とする。拠出金率の引上げは段階的に実施することとし、令和3年度は、積立金を活用し、0.36%に据え置くこととする。また、0歳~2歳児に係る保育給付費総額に対する拠出金の充当割合の法定上限を6分の1から5分の1に引き上げる。(児童手当の特例給付の見直し等)○ 特例給付について、高所得の主たる生計維持者(年収1,200万円(注)以上の者)を対象外とする。施行時期については、施行に要する準備期間等も考慮し、令和4年10月支給となる令和4年6月分から実施する。これらのために、児童手当法を改正する所要の法律案を令和3年の通常国会に提出済み(令和3年2月)。(注)子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合。○ 「新子育て安心プラン」に基づき令和3年度から令和7年度に増加する保育の運営費等(3歳~5歳児相当分・公費440億円程度)については、児童手当の特例給付の見直しにより生じる財源を充てる(公費370億円程度)。これにより、「新子育て安心プラン」に必要な国費の安定財源を確保するとともに、地方負担の財源については、この見直し及び子ども・子育て支援法に規定する利用者支援事業の見直し(70億円程度)により生じる地方負担の減少により適切に確保する。なお、令和3年度に限り、消費税増収分を1年限りで一時的に活用する(5.社会保障の充実(1)令和3年度における「社会保障の充実」 参照)。(更なる改革の推進)○ 現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、切れ目なく全ての世代を対象とするとともに、全ての世代が公平に支え合う「全世代型社会保障」の考え方は、今後とも社会保障改革の基本である。今後も全世代型社会保障改革のフォローアップを行いつつ、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、総合的な検討を進め、更なる改革を推進する。(2) 「改革工程表」等に沿った医療・介護制度改革の着実な実行団塊の世代が後期高齢者となる令和4年度を見据え、以下の改革項目について早急に取組み、具体的かつ明確な成案を得ることをはじめ、「新経済・財政再生計画 改革工程表」等に基づき改革を着実に実行する。(医療)○ 国民健康保険制度における、法定外繰入等の解消及び保険料水準統一に関する事項の国保運営方針の記載事項への位置づけや、国保制度の財政均衡を図るための在り方等について、実効性のある更なる措置を検討する。○ 第4期の医療費適正化計画に向けて、地域医療8 ファイナンス 2021 Apr.特 集

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