ファイナンス 2021年3月号 No.664
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各地の話題ンプを楽しめる、SNSに映えると人気を集めています。テント内はクーラー、ベッド、ランタン等の「ホテル」同様の設備を備え、各テントの前にはテーブルや食器、バーベキューコンロ、地元の精肉店や直売所と連携した食材が用意され、手ぶらでキャンプを楽しめます。グランピング設備(外観、テント内)3財政融資資金の活用本施設の総事業費は232百万円で、国庫補助金(地方創生拠点整備交付金)74百万円と財政融資資金が充当される過疎対策事業債158百万円を財源としています。過疎対策事業債とは、過疎地域自立促進特別措置法による人口要件や財政力要件に基づき過疎地域に指定された市町村が起債できるもので、公共施設の整備、道路の改良、地場産業の振興、観光施設、下水道施設等の様々な用途に活用できる事業債です。地方創生拠点整備交付金の交付を受けていることで、宿泊客数や収入額といった重要業績評価指標(KPI)が設定されており、これらの指標を目指した運営が必要になりますが、本施設により、当町の課題であった関係人口の創出や滞在時間の増加、宿泊客の獲得が期待されるところです。また、施設管理は、地元の若手有志らでつくる一般社団法人に委託されており、地元若者の活力・知見も活用した効率的・効果的な運営がなされていることも評価される点といえます。提供される新鮮な地元食材4おわりに本施設は令和2年7月のオープン以降、熊本市をはじめとした周辺市町村からのキャンプ客で賑わっています。本施設には、テント持ち込み客向けのテントサイトも用意されており、「きれいな空気の中でリフレッシュしたい」などといった声にうまく応えることができています。春の空気が感じられる3月に入り、ますます活気づくことが期待されます。本事例のように、財政融資資金は過疎地域における様々な地域活性化事業に活用されているほか、地方公共団体が進める上下水道事業や病院事業、災害復旧事業等に活用されています。九州財務局では、これらの財政融資資金の供給等を通して、今後とも地域社会に貢献してまいります。(写真提供)甲佐町、COMMON IDOE(施設情報)名称:COMMON IDOE(コモン イドエ)住所:熊本県上益城郡甲佐町大字安平872-2グランピング施設(4人用4サイト、2人用4サイト)持ち込み区画サイト(10区画)カフェ、ショップ棟、シャワー棟、芝生広場 ファイナンス 2021 Mar.95連載各地の話題

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