ファイナンス 2021年3月号 No.664
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1はじめに甲佐町を流れる清流「緑川」甲佐町は、熊本県のほぼ中央、熊本市の南方約20kmに位置し、南北に清流「緑川」が貫流する自然豊かな町です。熊本市内から車で約30分、九州自動車道の御船ICより車で約15分という場所にあります。主要産業は農業で、緑川の恩恵を受けた肥沃な大地において、主に水稲、野菜、花きの生産が行われており、中でも「ニラ」、「スイートコーン」、「キク」が盛んで、地元の高校と連携した商品開発等に取組んでいます。観光面では、緑川で育った新鮮な鮎アユが味わえる「やな場」が有名です。令和2年4月1日現在の人口は10,544人で、熊本地震前の平成28年4月1日と比べると492人減少、10年前と比べると約1,000人減少しています。従来からの自然減に加えて、平成26年以降は社会減が続いており、熊本都市圏とのアクセスの良さを生かすことができていない状況にあります。この状況を打破しようと、最近では「古民家改修プロジェクト(町内外の人が参加しての改修ワークショップ)」が実施されるなど、関係人口の増加を目指した活動が行われていますが、町内には滞在型の施設が少なく、日帰り客が中心で、地域経済への波及効果が限定的なものにとどまっているという課題がありました。2町営キャンプ場の概要町営の井戸江峡キャンプ場は、近隣における発電所新設工事のため平成24年から休業していましたが、その後の熊本地震による被害や施設の老朽化の影響もあり、既存の施設を解体して新たなキャンプ場を再整備することになりました。新たなキャンプ場は、家族連れや若者をメインターゲットとし、川遊びや山の散策、体験型イベントを行う観光交流拠点施設と位置づけられています。芝生広場のほか、おしゃれなカフェやセレクトショップ等が併設されていますが、目玉となるのが、グランピング施設です。キャンプ場(芝生広場とショップ棟)「グランピング」は、グラマラス(魅力的な)とキャンピングを合わせた造語で、アウトドア初心者でもキャグランピングで 地域活性化~財政融資資金を活用した  キャンプ場整備~九州財務局理財部融資課 上席調査官原田 康郎甲佐町94 ファイナンス 2021 Mar.連載各地の話題

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