ファイナンス 2021年3月号 No.664
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着実に推進するとともに、原子力災害被災地域では、帰還・移住等の促進など本格的な復興・再生に向けた取組を推進するなど、復興のステージに応じたきめ細やかな取組を継続して進めるものとなっている。復興庁予算の主な項目は以下のとおりである*5。(1)被災者支援総合交付金復興の進展によって生じる、「心身のケア」、「コミュニティ形成・再生」、「住宅・生活再建の相談支援」及び「心の復興」等の課題に対応するため、地方公共団体等における被災者支援の取組を一体的に支援するための経費として、125億円を計上している。(2)福島の復興・再生加速のための施策ア.福島再生加速化交付金福島の再生を加速するため、長期避難者への支援から早期帰還への対応及び新たな住民の移住・定住の促*5) 復興庁予算について、復興係が担当するのは復興庁が自ら執行する予算であり、他省庁に移し替えて執行される予算は、それぞれの省庁の担当係が査定を行う。ここでは、主に内閣・復興係が査定を行う項目について記述する。進の施策等を一括して支援するとともに、新たに「移住・定住促進事業」を創設し、3年度予算として721億円を計上している。イ.福島生活環境整備・帰還再生加速事業原子力災害被災12市町村等を対象に、公共施設等の機能回復を行うとともに、避難解除区域への住民の帰還を促進するための取組や将来の帰還に向けた荒廃抑制・保全対策を実施するための経費として、91億円を計上している。(3)各省庁所掌予算の一括計上各省庁所掌の予算については、被災地からの要望にワンストップで対応するため、被災地の要望を復興庁において一元的に受理し、これを踏まえ、復興事業に必要な予算を復興庁が一括して要求し、予算を計上しているところであり、大型のインフラ構築が概ね終了資料3:東日本大震災復興特別会計 復興庁所管予算のポイント(概要)令和3年度東日本大震災復興特別会計予算の概要(総額9,318億円)■被災者支援362億円○「第2期復興・創生期間」の初年度である令和3年度予算においては、‣地震・津波被災地域では、心のケア等の被災者支援などきめ細かい取組を着実に推進するとともに、‣原子力災害被災地域では、帰還・移住等の促進など本格的な復興・再生に向けた取組を推進するなど、復興のステージに応じたきめ細やかな取組を継続。(注1)上記の他、震災復興特別交付税1,325億円、予備費1,500億円等(注2)復興財源フレーム対象経費は4,983億円(予備費除く)○生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を実施。・被災者支援総合交付金(125億円)・被災した児童生徒等への就学等支援(34億円)・地域医療再生基金(54億円)等■住宅再建・復興まちづくり540億円■原子力災害からの復興・再生4,673億円■創造的復興132億円○災害公営住宅に関する支援を継続するほか、災害復旧等について支援を継続。・家賃低廉化・特別家賃低減事業(224億円)・森林整備事業(47億円)・災害復旧事業(161億円)等○生活再開に必要な帰還環境整備や特定復興再生拠点区域の整備、中間貯蔵施設の整備等を着実に推進。・福島再生加速化交付金(721億円)・福島生活環境整備・帰還再生加速事業(91億円)・特定復興再生拠点整備事業(637億円)・中間貯蔵施設の整備等(1,872億円)等○福島をはじめ東北地方の「創造的復興」を成し遂げるための取組を推進。・移住等の促進(福島再生加速化交付金の内数)・福島イノベーション・コースト構想関連事業(75億円)等■産業・生業(なりわい)の再生459億円○水産加工業等へのソフト支援や、福島県農林水産業の再生等の取組を引き続き実施。・復興水産加工業等販売回復促進事業(11億円)・福島県農林水産業再生総合事業(47億円)・自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(215億円)等 ファイナンス 2021 Mar.5令和3年度予算特集:2令和3年度 内閣・内閣本府等、デジタル庁、復興庁及び外交関係予算について特 集

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