ファイナンス 2021年3月号 No.664
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1.概観(1)内閣・内閣本府等及びデジタル庁関係予算内閣・内閣府は、各府省の施策に関する総合調整機能を担っており、予算の大宗はこうした総合調整機能を反映したものとなっている。例えば、内閣府の沖縄振興予算においては、沖縄振興計画に基づく関連事業の全体的把握及び事業相互間の進度調整、計画に沿った事業の推進を図る観点から、これらの事業に必要な経費を一括計上し、必要に応じ事業を実施する所管省庁に予算を移し替えて執行するなど、効果的な総合調整を行っている。こうした機能・任務に照らして、必要となる諸課題に対応するため、内閣・内閣本府等の3年度当初予算は全体として、対2年度1,697億円増の40,236億円(2年度予算額は、3年度予算額との比較対照のため臨時・特別の措置を除く)となっている*1。また、デジタル社会の形成の司令塔として、強力な総合調整機能を有するデジタル庁の新設に伴い、3年度予算に368億円を計上している。(2)復興庁予算復興庁は、東日本大震災からの復興に関する事業の円滑かつ迅速な遂行を図るため、東日本大震災からの復興に関する施策の企画立案・総合調整等を行っている。各省庁所掌の予算については、復興に関する行政各部の事業を統括・監理する一環として、復興庁が所管する一括計上予算として東日本大震災復興特別会計*1) 主な増額の要因は、情報システム関係予算の一括計上によるもの。*2) 東日本大震災復興特別会計の3年度歳出額9,318億円のうち、復興加速化・福島再生予備費(財務省所管:1,500億円)及び震災復興特別交付税(総務省所管:1,325億円)等を除き、復興庁所管の予算となっている。*3) 内閣府計上の予算であっても、警察庁や公共事業関係費、子ども・子育て本部計上の社会保障関係費、総合科学技術・イノベーション会議関係の予算などの予算は、他の担当係において査定がなされている。*4) 自動車安全特別会計空港整備勘定計上分を含む。に計上しており、3年度予算では、「第2期復興・創生期間」の初年度において、被災地の復興に必要な取組を確実に実施するため、対2年度7,808億円減の6,216億円*2を計上している。(3)外交関係予算外交関係予算に関し、3年度のODA(政府開発援助)予算は、新型コロナウイルス感染症の国際的な収束に向けた保健分野のODAの拡充等により、増額となっている。また、非ODA予算も含めた3年度の外務省予算については、ア.新型コロナウイルス感染症への対応、イ.国際秩序の強化、外交・領事実施体制の強化、ウ.国境を越える課題への対応、戦略的対外発信を柱としつつ、保健分野のODAに加えデジタル化の推進等に重点化している。2. 内閣・内閣本府等及びデジタル庁関係予算内閣・内閣本府等及びデジタル庁関係予算の主な項目は以下のとおりである*3。(1)沖縄振興予算(内閣府沖縄担当部局)沖縄振興策を総合的・積極的に推進するため、沖縄振興予算について、所要額を積み上げ、総額3,010億円*4を計上している。その中で、国家戦略として沖縄令和3年度 内閣・内閣本府等、デジタル庁、復興庁及び外交関係予算について主計局主計官 飯塚 正明2 ファイナンス 2021 Mar.特 集

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