ファイナンス 2021年3月号 No.664
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財務省では、常に国民の視点に立って、高い価値を国民に提供できる組織風土をつくり上げていくため、「財務省再生プロジェクト」を進めています。その一環として、部局横断的な議論の活性化や職員の政策能力向上を図るため、若手の課長補佐を中心とした有志勉強会を開催しており、「コロナ後の様々な政策課題」をテーマとして活動しています。本シリーズ第2回となる今回のテーマは、「投資家の視点から見た日本企業」です。日本経済のエンジンである日本企業については、従来から「稼ぐ力」の向上に向けた取組が進められてきました。また、中小企業については、経営者の高齢化に伴う事業承継も大きな問題です。こうした日本企業の課題解決に、「エンゲージメント投資」・「オルタナティブ投資」、それぞれの手法で挑まれている2名の投資家の方と意見交換させていただいた模様をご紹介します。1中神康議さん (みさき投資株式会社 代表取締役社長)プロフィール慶應義塾大学経済学部卒。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。大学卒業直後から経営コンサルティング業界に入る。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、コーポレイトディレクション(CDI)のパートナーとして、約20年弱にわたり幅広い業種で経営コンサルティングに取り組む。数多くのクライアント企業価値向上の実体験を元に、「働く株主®」投資モデルの有効性を確信。2005年に投資助言会社を設立し、上場企業への厳選長期エンゲージメント投資活動を開始。数々のエンゲージメント成功事例を生む。2013年にはみさき投資株式会社を設立し、引き続きエンゲージメント投資に取り組んでいる。近著に、『投資される経営 売買される経営』、『三位一体の経営』がある。―中神社長は、投資ファンドの運営を通じて、株式の長期保有と投資先へのエンゲージメントによる上場企業の価値向上を実践されてきたとともに、『三位一体の経営』などの著作で「投資家の思考と技術」の日本社会への普及に取り組まれています。まずは、「投資家の思考と技術」が企業経営に果たす役割について概括的にお聞きしたいです。財務省再生プロジェクト 部局横断的勉強会(2)「『みなで豊かになる』ためのファイナンスとは?」編大臣官房地方課総務室長 川本 敦/国際局為替市場課資金管理室課長補佐 林原 賢悟大臣官房秘書課財務官室課長補佐 足立 直也/金融庁総合政策局国際室課長補佐 大槻 裕明関税局関税課課長補佐 神代 康幸44 ファイナンス 2021 Mar.SPOT

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