ファイナンス 2021年3月号 No.664
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また、関東財務局と国有財産業務課の若手職員が中心となって「財務局ホームページ見直しプロジェクトチーム」(略称HPPT)を昨事務年度立ち上げ、喧々諤々の議論を経て、昨年4月に全財務局の国有財産のホームページがリニューアルされた(図9)。本件については広報室の「これ、いいね通信」や地方課の「財務時報」でも取り上げられている。現在は、財務局と物理的な連携が困難な状況ではあるが、ウェブ会議を多用しコミュニケ―ションを欠かさないようにしており、コロナの収束状況を睨みながら、財務局との新たなPTの立ち上げなど、更に連携を深めていきたい。5おわりに ~心を燃やせ~本稿では、国有財産行政を巡る、本省・財務局における新たな取組を縷々紹介してきたが、裏テーマは国有財産行政の魅力を少しでも皆様に伝えたい事にある。確かに、国有財産(管財)業務に派手さはない。主計局のように大きな予算を動かすこともなく、予算を付けた後は各省庁が責任をもって執行してくれるわけでもない。企画立案から現場での執行(相手方との交渉、契約など)に至るまで全て自分たちで模索しながら何年も掛けてやらなくてはならず、非常に手間と時間のかかる仕事である。これまで国有は「保守的」「受け身」との声もあったと思うが、そういった国有業務独特の事情も背景にあることは理解頂けると幸いである。その裏返しでもあるが、補助事業などと違って大きな国費負担もなく(むしろ税外収入として国庫に貢献)、地域社会と顔の見える距離感で仕事ができ、時に地域住民から感謝されることに、大きな魅力がある。何度も繰り返すが、国有は現場がすべてである。そこに「心を燃やす」価値はないか。本稿を読んで、少しでも国有財産行政を志願する若手が増えていただけると幸いである。財務局ホームページの見直しポイント例『利用者目線の構成』財務局ホームページの見直しポイント例『利用者目線の構成』従来のホームページ(関東財務局の例)見直し後物件情報を①購入、②利用、③公的利用に分けて、利用者が物件情報にたどり着きやすくする。図9 財務局ホームページ見直しプロジェクトの様子~財務省に親しみを!これ、いいね通信Vol.5April 2020Introducing wonderful works.「伝わる広報」の実現に向けて、まずは財務省に親しみを持ってもらえるように、年も利用者目線に立った、より見てもらえる発信を推進していきます!より見てもらえるコンテンツへ。不断の取り組み、始動!発信担当者の声ポイント利用者目線で財務局コンテンツを改善!)国有財産のこと、わかりやすく伝えよう(理財局×財務局)*各局各階層で、より見てもらえる発信への取組が始まっています!みなさんの「これ、いいね」活動も教えてくださいね。●財政審の年ぶりの答申をきっかけに、理財局・関東局の若手職員中心のが発足●本省と財務局がとなり、国有財産コンテンツの改善アイデアを議論!●財務局コンテンツにおいて、視点を変え、利用者目線の言葉づかいを採用『留保財産』などの新しい取組を視覚的に発信してみました!●利用者の声に対応できるよう、内部向けを準備し、財務局管財部と共有しました●若手職員たちが「利用者目線」、「伝わりやすさ」を熟考し、自らの手でコンテンツ改善を実践●の共有により、職員の伝える力も向上中⤴「空き家・空き地バンク」運営企業‣物件情報を3つに分ける‣「売却・貸付」⇒「購入・利用」<本省・関東財務局若手PTの活動の様子>●国有地を写真付で紹介し、購買意欲を刺激してみました民間企業と連携、の間口が拡大!発信担当者の声発信担当者の声変更前のホームページ画面※『留保財産』の図解紹介の一例※HPの構成・言葉づかいを見直し本省と財務局の「伝わるアイデア」を結集!※FAQも準備 ファイナンス 2021 Mar.35国有財産行政の新たな展開SPOT

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