ファイナンス 2021年3月号 No.664
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また、ワクチン接種会場等としての国有財産の無償提供についても、厚生労働省の要請を受け、本年2月16日、財務局等に対して、都道府県担当部局との連携やワクチン接種事務を担当する市町村から国有財産の情報提供要請があった場合の対応を指示したところであり、早速、2月下旬に近畿財務局管内で第一号案件が出たほか、地方自治体からの問い合わせが多数寄せられているところである。(3)中学校での出前講座(北海道財務局)国の財政問題について学校で出前講義を行う事例はこれまでも多数あるが、北海道財務局の取組で面白いのは、留保財産とされている札幌市内の国有地を題材として、地域にとってどんな利用方法が望ましいか市内に住む中学生に議論してもらう場を設けた点にある。国有財産業務や街づくりに関心を持ってもらう良い機会となった(図8)。○ 本省と財務局の連携強化昨事務年度より、大臣官房地方課が中心となって、本省庁と財務局との連携体制の強化を進めているが、理財局においても、これに呼応する形で、また、「カイゼン活動」の一環としても、財務局との連携強化に資する取組を進めている。その一つが、本省・財務局の間の「短期トレーニー制度」の創設である。昨年3月に第一号として、関東財務局職員1名を国有財産企画課で受け入れ、約2週間、議員レク同行や幹部説明同席、国会質疑メモ起こし、想定問答作成等に従事してもらったのを皮切りに、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中断を挟んで、昨年10月に、今度は国有財産審理室職員1名を関東財務局東京事務所に派遣し、普通財産(未利用国有地など)の管理処分に係る現場実務を体験してもらった。他の財務局からも相互派遣を希望する声が多数寄せられており、現在、残念ながらコロナ禍での再度の中断を強いられているが、再開した暁には、「顔の見える交流」の機会として積極的に推進していきたい。図8 中学校での出前講座(北海道財務局) 管理処分業務を通じ、地域の行政ニーズに対応していくとともに、地域と繋がり、地域と地域に貢献する。地域連携~北海道財務局管財部門の取組み事例~中学校から職業体験授業(働くことについての学習)の講師派、北海道局では初めて国有地を題材にした授業を実施。部に位置する国有地(留保財産)について、定期借地を活用し効果について、グループ討議を実施。ーム、マンション、コンビニの複合施設フィスのビジネスマン向け動物カフェやスポーツジム向けの居酒屋、弁当店、ファストフード店務を知ってもらうとともに、将来を担う若い世代を「自分事」として捉えた。企画能力、プレゼン能力の向上が図られた。な発想に刺激を受け、モチベーションも向上。これまでの主な開催テーマでの出前講座を実施「街づくりを考える」産市場動向勉強会」の開催※教材から抜粋。図7 広島市中央公園におけるPCR検査ウォークイン方式ドライブスルー方式34 ファイナンス 2021 Mar.SPOT

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