ファイナンス 2021年3月号 No.664
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求められる人材を育成するため、国立高等専門学校の機能の高度化を図るほか、日本型高等専門学校教育制度(KOSEN)の海外展開と国際化を一体的に推進する。○国立高等専門学校施設整備(21億円⇒10億円(▲51.7%))※この他、2年度補正予算第3号で116億円を計上安全・安心な教育研究環境を構築するため、国立高等専門学校の施設整備を推進する。3.科学技術予算3-1. イノベーション創出のための研究力の強化○ 科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業(23億円(新規))※この他、2年度補正予算第3号で5億円を計上博士課程学生の処遇向上とキャリアパスの確保を一体として実施する大学の取組への補助により、将来を担う研究人材の育成を推進する。○科学研究費助成事業(科研費)(2,374億円⇒2,377億円(+0.1%))基礎研究をはじめ、研究者の自由な発想に基づく研究を推進する。特に、若手研究者向けの研究種目を引き続き重視しつつ、新興・融合領域の研究への挑戦を推進する。○戦略的創造研究推進事業(新技術シーズ創出)(418億円⇒428億円(+2.4%))イノベーションの源泉となる基礎研究を推進するため、国が定めた戦略目標の下、組織・分野の枠を超えた研究体制(ネットワーク型研究所)を構築する。これにより、優秀な若手研究者のステップアップを推進するとともに、新興・融合領域の研究への取組を強化する。3-2. スパコン・量子・マテリアルなど重点分野への戦略的配分○スーパーコンピュータ「富岳」の運用等(126億円⇒153億円(+22.1%))※この他、2年度補正予算第3号で325億円を計上本格共用を開始するスーパーコンピュータ「富岳」の計算資源の全面的な活用と研究開発を加速するアプリ開発により、新型コロナウイルス感染症対策に資する課題を優先しつつ、健康長寿社会の実現、防災・環境問題などにおける様々な成果の創出を推進する。○光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)(32億円⇒35億円(+9.4%))将来の経済・社会に変革をもたらす量子科学技術について、社会実装につながる「量子生命技術」、「量子AI技術」等の融合領域での研究開発と次世代を担う人材育成を推進する。○ マテリアルDXプラットフォーム構想実現のための取組(25億円⇒34億円(+37.5%))※この他、2年度補正予算第3号で72億円を計上2年度補正予算第3号で整備したマテリアルDXプラットフォームにより、産学官の高品質なマテリアルデータを戦略的に収集・流通・利活用を行うとともに、AI・データ駆動型研究を推進することで、マテリアル分野の研究開発と社会実装を加速する。3-3.基幹プロジェクトの推進○宇宙・航空分野の研究開発(1,575億円⇒1,576億円(+0.1%))※この他、2年度補正予算第3号で573億円を計上・ アルテミス計画に向けた研究開発等アルテミス計画への参画に伴い、日本が強みを有する分野の「貢献」が求められており、月周回有人拠点(Gateway)への燃料物資補給、与圧ローバ(月面移動手段)等について研究開発等を進める。・ H3ロケットや次世代人工衛星の開発運用コストを半減し、多様な打上げニーズに対応した国際競争力のある次期基幹ロケット(H3ロケット)の開発や、災害時の状況把握など防災・減災対応に貢献する先進レーダ衛星(ALOS-4)等の次世代人工衛星の開発を着実に推進する。 ファイナンス 2021 Mar.25令和3年度予算特集:2令和3年度 文教及び科学振興費について特 集

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