ファイナンス 2021年3月号 No.664
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億円(対前年度▲22億円)などが計上されている。(3)地方交付税交付金・地方一般財源総額国の一般会計からの地方交付税交付金(入口ベース)は、国税の一定割合に当たる分(法定率分)13兆7,002億円(対前年度▲1兆6,252億円)に、・過去の地方財政対策における国と地方の貸し借りなどに起因する法定加算等4,746億円(対前年度▲441億円)・特例加算1兆7,169億円(対前年度皆増)を加算し、過年度の精算に伴う3,004億円(対前年度+650億円)を減じた額15兆5,912億円(対前年度▲173億円)となっている*9。なお、国税法定率分の減収幅が大きいことに鑑み、過年度精算のうち令和元年度の国税決算分4,811億円の精算措置を繰り延べることで、令和3年度に予定されていた全ての過年度精算を行った場合と比して、入口ベースの金額が増えることとなった。交付税特会からの財源は、地方法人税の見込額1兆3,232億円(対前年度▲1,332億円)から同特会における借入金の支払利子760億円を控除したうえで、・令和2年度第3次補正予算において償還を繰り延べた交付税特会借入金償還予定額の繰越額2,500億円*10(対前年度皆増)・地域デジタル社会推進費の財源として確保した、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金2,000億円(対前年度皆増)等を加算した1兆8,473億円(対前年度+8,676億円)である。これを入口ベースの地方交付税交付金に加算した17兆4,385億円(対前年度+8,503億円)が、出口ベースの地方交付税交付金となる。これらの結果、地方交付税交付金(出口ベース)に地方税、地方譲与税、地方特例交付金等及び臨時財政対策債を加えた地方の一般財源総額は61兆9,932億円*11(対前年度+2,414億円)を確保している。この一般財源総額に国庫支出金や地方債(臨時財政*9) これに地方特例交付金等3,577億円を加えた15兆9,489億円(対前年度+1,396億円)が、入口ベースの地方交付税交付金「等」である。*10) 令和3年度の交付税特会借入金の償還予定額6,000億円も繰り延べた上で、償還計画の見直しを実施している。*11) 水準超経費(1兆1,500億円)及び令和2年度徴収猶予の特例分(2,145億円)を除いている。*12) 令和2年度徴収猶予の特例分(2,145億円)を除いている。*13) 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)*14) なお、地方単独事業分については、平成24年度までは全国防災事業として実施されていたが、平成25年度以降、通常収支において緊急防災・減災事業費として計上している。対策債を除く)等の特定財源を加えた歳入総額は89兆5,915億円*12(対前年度▲1兆1,482億円)となり、歳出総額と同額となる。4. 令和3年度地方財政対策(東日本大震災分)について東日本大震災の復旧・復興にあたっては、令和3年度からの第2期復興・創生期間においても、復旧・復興事業及び全国防災事業について、それぞれ別枠で整理し、所要の事業費及び財源を確保することとされている。その財源については、改正された復興財源確保法*13において、必要な措置が講じられた。(1)復旧・復興事業費令和3年度地方財政対策においては、(1)直轄・補助事業の地方負担分(公営企業債等により賄うこととされている地方負担額を除く)として537億円、(2)地方単独事業分(単独災害復旧事業及び中長期職員派遣等)として338億円、(3)地方税の特例減税措置等に伴う減収分への対応として452億円、合計1,326億円について震災復興特別交付税を措置し、東日本大震災からの復旧・復興への対応に万全を期すこととしている。なお、この震災復興特別交付税の財源は、東日本大震災復興特別会計から交付税特会に繰り入れられることとされている(返還金1億円を除く)。(2)全国防災事業全国防災事業(全国的に直轄・補助事業として行われる緊急防災・減災事業)の地方負担分は、個人住民税の均等割の標準税率の10年間の引上げといった地方税における時限的な税制措置などの地方負担で賄うこととしており、この事業費と財源については通常収支分と別に整理されている*14。当該事業の実施は平成27年度で終了し、平成28年度以降は、これまでの全国防災事業に伴って発行した地方債の元利償還金(公 ファイナンス 2021 Mar.19令和3年度予算特集:2令和3年度 地方財政対策について特 集

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