ファイナンス 2021年3月号 No.664
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ルギーの取組の推進に向けて、標準的な設備と省エネ設備の導入費用の差分(掛かり増し分)への補助へと見直しを行ったこと等により325億円〔▲71億円〕を計上しているほか、カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための利子補給事業2億円〔新規〕(予算額2億円のうち、システム整備費1億円は一般会計で計上)を計上している。〈再生可能エネルギー関連予算〉再生可能エネルギー関連予算については、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、洋上風力の海域調査や低コスト化に向けた研究開発・実証、革新的蓄電池・燃料電池技術の研究開発などの予算を措置するとともに、二酸化炭素を吸収するコンクリートやバイオジェット燃料の開発などカーボンリサイクル技術のイノベーションを加速する予算を拡充している。具体的には、洋上風力発電等の導入拡大に向けた研究開発事業83億円〔+6億円〕やカーボンリサイクル・次世代火力発電の技術開発事業162億円〔+6億円〕等を計上している。イ.燃料安定供給対策我が国のエネルギーの安定供給を確保する観点から、災害時におけるエネルギー供給体制の強靱化や国内外の資源確保等に必要な経費を計上している。具体的には、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)への出資金513億円〔▲52億円〕等を計上している。(2)電源開発促進勘定(電源開発促進税財源)電源開発促進勘定の歳出は、発電設備の建設と運転を円滑にすることを目的とする「電源立地対策」、発電用施設の利用促進と安全確保等を目的とする「電源利用対策」及び「原子力安全規制対策」で構成されており、前二者の経済産業省所管分については、それぞれ1,526億円〔▲8億円〕、153億円〔+12億円〕を計上している。このうち、「電源立地対策」の約半分を占める電源立地地域対策交付金は、発電用施設等の立地の促進及び運転の円滑化を図るため、立地自治体に対して交付される交付金である。設備容量や発電電力量などによって交付額が算定されており、755億円〔▲7億円〕を計上している。また、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」(平成28年12月閣議決定)を踏まえ、中間貯蔵施設費用相当分について、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に対する交付金として470億円〔同額〕を計上している。6 復興関係(東日本大震災復興特別会計)東日本大震災の被災地の復旧・復興状況を踏まえ、福島イノベーション・コースト構想の実現や被災中小企業の復旧事業等に必要な予算を計上している。具体的には、福島県浜通り地域の産業振興に資する技術開発・実用化開発を支援するために57億円〔同額〕を計上するほか、福島ロボットテストフィールド等の拠点施設の運営等や関連プロジェクトの創出等を支援するために11億円〔+1億円〕を計上している。また、被災地の産業復興・雇用創出に向けて、中小企業組合等共同施設等災害復旧事業(いわゆるグループ補助金)に64億円〔▲76億円〕を計上している。○ 環境省予算1 概観環境省の令和3年度一般会計予算では3,233億円を計上しており、うち1,290億円がエネルギー対策費、453億円が公共事業関係費、1,021億円が科学技術振興費・その他経費、469億円が原子力規制委員会関係となっている。また、東日本大震災復興特別会計において3,646億円を計上している。2 エネルギー対策費2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、地域の状況に応じた再エネ等の自立・分散型エネルギーの導入とともに、脱炭素イノベーション、脱炭素型のプラスチック資源循環高度化等を重点的に推進することとしている。エネルギー対策特別会計において、地域防災計画に災害時の避難施設等として位置付けられた公共施設について、災害時にもエネルギー供給等を可能とするため、再生可能エネルギー設備等の導入支援に50億円〔新規〕を計上するほか、化石燃料由来ではなく再エネ等の多様な地域資源由来の水素について、生成・貯蔵・運搬・利活用まで含めたサプライチェーン構築のための実証事業及び水素活用によ ファイナンス 2021 Mar.11令和3年度予算特集:2令和3年度 司法・警察、経済産業、環境予算について特 集

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