ファイナンス 2021年3月号 No.664
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文中、〔 〕書きの金額は、令和2年度当初予算(臨時・特別の措置を除く。)比の増減を表す。○ 経済産業省予算1 概観経済産業省の令和3年度一般会計予算は、中小企業対策費を増額する一方、エネルギー対策特別会計の剰余金等の増加等に伴うエネルギー対策特別会計への繰入れの削減や内閣官房及びデジタル庁にシステム関係予算の計上所管替えを行ったこと等により、対前年度当初予算(臨時・特別の措置を除く。)で▲172億円の9,170億円となっている。経済産業省の令和3年度一般会計予算では、デジタル化を支える量子・AI・ロボット等の研究開発や、企業・分野間のデータ連携の円滑化のためのアーキテクチャ(共通の技術仕様)の策定、安全保障と一体となった経済の強靱化のためのサイバーセキュリティ対策に重点的な予算措置を行っている。また、中小企業の生産性の向上を促進するための設備投資や事業再生・事業承継に対する支援といった現下の中小企業を取り巻く経営課題に対応するために必要な予算を計上している。さらに、2025年の大阪・関西万博に係る経費等も計上している。エネルギー関連では、2050年までのカーボンニュートラル目標に向けて、予算の重点化・効率化を進めつつ、野心的な二酸化炭素の排出削減に取り組む企業に対する成果連動型の低利融資制度の創設など金融手法も活用しつつ、省エネ・再エネの導入を着実に推進するとともに、再エネの主力電源化に向けて、洋上風力の導入拡大や革新型蓄電池・燃料電池などの研究開発を推進するとともに、カーボンリサイクル技術のイノベーションを加速するために必要な予算を計上している。東日本大震災復興特別会計においては、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上し、引き続き復興支援を推進することとしている。2 科学技術関係デジタル化を支える量子・AI・ロボット等の研究開発や、企業・分野間のデータ連携の円滑化のためのアーキテクチャ(共通の技術仕様)の策定、安全保障令和3年度 司法・警察、経済産業、環境予算について主計局主計官 渡邉 和紀【経産】計数表(単位:億円)項目2年度当初(1)3年度予算(3)うち通常分(2)うち臨時・特別の措置対2年度当初(3)-(1)うち通常分(3)-(2)経産省 一般会計12,4359,3413,0939,170▲3,265▲26.3%▲172▲1.8%エネ特繰入以外6,3593,5892,7693,517▲2,842▲44.7%▲73▲2.0%科学技術振興費1,1331,133-1,090▲43▲3.8%▲43▲3.8%中小企業対策費1,1411,111301,117▲24▲2.1%60.6%その他4,0851,3452,7391,309▲2,776▲68.0%▲36▲2.7%エネ特繰入6,0765,7523245,653▲422▲7.0%▲99▲1.7%エネ需勘定繰入4,5064,1823244,109▲396▲8.8%▲73▲1.7%電促勘定繰入1,5701,570-1,544▲26▲1.7%▲26▲1.7%復興特会(経産省関連)27345318166.2% ファイナンス 2021 Mar.9令和3年度予算特集:2特 集

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