ファイナンス 2021年2月号 No.663
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各地の話題興祈願花火フェニックス」です。「フェニックス」という名称は、長岡市の市章で不撓不屈のシンボル「不死鳥」から命名されており、震災復興を祈願する花火として打ち上げられています。大迫力の復興祈願花火フェニックス6発酵・醸造のまち 長岡長岡市は、新潟県内でも有数の米どころであり、古くから、この土地の美味しい米を使って、酒が仕込まれてきました。日本酒の仕込みに欠かせないのは、きれいな水です。長岡の歴史の中で連綿とそれを支えてきたのは、毎年しんしんと降り積もる豪雪がもとの湧き水でした。さらに、冬の間は豪雪によって空気に雑菌が舞いにくい環境であることから、安定した条件の中で発酵・醸造の作業を行うことができています。水も米も豊かで酒造りに適した長岡市には、名作漫画「夏子の酒」のモデルになった蔵元など16もの日本酒蔵があり、全国的にも有名な銘柄から生活に根ざした地産地消型のものまで、多種多様な銘柄が作られています。そして、長岡の酒の普及促進等のために長岡市では「日本酒で乾杯を推進する条例」が制定されています。また、市の中心部からほど近いところに、味噌、醤油、日本酒の蔵元が集中して立地する「摂せったや田屋」という町があります。かつて江戸幕府の御領地として味噌や醤油造りが発達し、奇跡的に戦災も免れたこのエリアは、明治期から残る趣のある建築物も多数あり、発酵・醸造文化の歴史を肌で感じられる場所です。ただ製品を楽しむだけではなくぜひ訪れていただきたい場所です。日本酒蔵元数は新潟県内最多の16蔵を誇る醸造のまち 摂田屋の街並み7おわりに長岡市では、米どころとして清酒造りの他に米菓の生産も盛んです。また、明治時代に石油が湧出したことに伴って機械産業が発達し、現在も精密機械や工作機械の企業が多くあります。このほか、近年輸出が増加している錦鯉の養殖や、江戸時代から続く栃尾のあぶらげ(油揚げ)、三島手引き鋸、与板打刃物が伝統的な産業としてあります。ぜひ、長岡市を訪れてみてはいかがでしょうか。お待ちしています。〔参考文献〕・一般社団法人長岡観光コンベンション協会ホームページ・長岡市地方創生推進部ホームページ〔写真提供〕・公益社団法人新潟県観光協会・長岡市観光・交流部・一般社団法人長岡観光コンベンション協会 ファイナンス 2021 Feb.85連載各地の話題

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