ファイナンス 2021年2月号 No.663
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長岡なりました。そして令和3年6月、この小説を原作とする映画「峠 最後のサムライ」が全国で公開される予定です。3米百俵の精神米百俵とは、明治3年、戊辰戦争で焼け野原となり、窮乏を極めていた長岡藩に、支藩の三根山藩から送られてきた百俵の米を、多くの藩士は飢えを凌ぐために使おうと考えましたが、長岡藩大参事の小林虎三郎は学校設立の資金に充てたという故事です。分ければ数日間で使い切ってしまうが、人づくりに使えば、将来、何万俵にもなって戻ってくるというのがその理由でした。今の痛みに耐え明日をよくするために、現在の日本に必要なのは、この「米百俵の精神」であると小泉純一郎元総理が所信表明演説の中で引用したことから全国に知れ渡りました。米百表の群像(千秋が原ふるさとの森)4山本五十六から学ぶ人材育成山本五十六は、明治17年に旧長岡藩士、高野家の六男として生まれ、当時の父親の年齢から「五十六」と名付けられたといわれています。五十六は、海軍の軍人で、太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官を務めました。そこで真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦をはじめとした歴史的にも有名な作戦を指揮したことでも有名ですが、アメリカと日本の実力差を熟知していたことから最後まで戦争に反対していたとも言われています。そんな五十六が生前、口にした数々の名言の中でも、特に有名なのが「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」の言葉です。軍人として多くの部下を統率してきた経験があるからこそ身につけた「いかにして人を動かすか」のエッセンスが詰まった言葉であり、多くの指導者の格言として知られています。連合艦隊司令長官として活躍した山本五十六元帥の記念館5復興のシンボル長岡まつり大花火大会日本三大花火大会の一つ長岡まつり大花火大会は、毎年100万人以上が訪れます。昭和20年8月1日の空襲により、街の8割が焦土と化し、1,488名もの方々が犠牲となりました。空襲の1年後の昭和21年8月1日に長岡まつりの前身である「長岡復興祭」が開催され、昭和23年には、8月1日を「戦災殉難者の慰霊の日」、8月2日・3日を「花火大会の日」として空襲で亡くなられた方々への慰霊、復興に尽力した先人への感謝、恒久平和の願いを込めた花火が打ち上げられています。大花火大会を代表する花火と言えば、何と言っても「正三尺玉」であり、直径90cm、重さ300㎏という巨大な玉が600m上空に打ち上げられ、直径650mにも広がります。また、平成16年に中越地方に甚大な被害をもたらした中越地震からの復興を願って打ち上げられる花火が、圧巻の全長約2kmの超ワイドスターマイン「復84 ファイナンス 2021 Feb.連載各地の話題

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