ファイナンス 2021年2月号 No.663
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3.令和3年度予算の概要(1)令和3年度予算のポイント令和3年度予算は、令和2年度第3次補正予算と合わせ、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている国民の命と生活を守るため、感染拡大防止に万全を期すとともに、将来を切り拓くため、中長期的な課題を見据えて着実に対応を進めていく予算としている。本予算は、前述の経済財政状況等をふまえ、「令和3年度予算編成の基本方針」(令和2年12月8日閣議決定)に沿って編成が進められたものであり、具体的なポイントは以下の通りである。ア.感染拡大防止令和2年度第3次補正予算により、病床・宿泊療養施設の確保、ワクチン接種の体制整備等を措置している。これに加え、感染症危機管理体制や保健所体制の整備、医療機器の国内生産能力の増強等によって感染拡大防止に万全を期すとともに、予期せぬ状況変化への備えとして、5兆円の新型コロナウイルス感染症対策予備費を措置する。イ.デジタル社会・グリーン社会の実現令和3年9月に、官民の高度専門人材を結集し、強力な総合調整機能を有するデジタル庁を設置する。情報令和2年度3次補正後予算フレーム(単位:億円)2年度予算(当初)2年度予算 (3次補正後)備  考2年度予算当初→3次補正後(歳 出)一般歳出617,1841,346,420729,236○3次補正概算決定時における新型コロナウイルス感染症対策予備費残額:50,424億円地方交付税交付金等158,093162,5624,470国債費233,515230,246△3,269うち債務償還費(交付国債分を除く)145,394145,394-うち利払費83,90476,200△7,704小   計1,008,7911,739,228730,437臨時・特別の措置17,78817,649△139計1,026,5801,756,878730,298(歳 入)◯公債依存度:64.1%◯建設公債令2当初:7.1兆円→ 令2③補正後:22.6兆円特例公債令2当初:25.4兆円→ 令2③補正後:90.0兆円○3次補正後の財政収支赤字(利払費相当分と政策的支出による赤字分の公債金の合計)は98.0兆円。税収635,130551,250△83,880その他収入65,88880,08814,201公債金(歳出と税収等との差額)325,5621,125,539799,977債務償還費相当分(交付国債分を除く)145,394145,394-利払費相当分83,90476,200△7,704政策的支出による赤字(基礎的財政収支赤字)相当分96,264903,945807,681計1,026,5801,756,878730,298(注1)計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。(注2)税収には印紙収入を含む。(注3)公債金の分類は基礎的財政収支や財政収支の観点から行ったものであり、公債金による収入が直ちに債務償還費や利払費に充当されることを意味するものではないことから、「相当分」としている。令和2年度第3次補正予算のフレーム(単位:億円)歳   出歳   入1.新型コロナウイルス感染症の拡大防止策43,5811.税収2.税外収入3.前年度剰余金受入▲83,8807,2976,9042.ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現116,7663.防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保31,414  小  計(経済対策関係経費)191,7614.その他の経費2525.地方交付税交付金4,221(1)税収減に伴う一般会計の地方交付税交付金の減額▲22,118(2)税収減に伴う一般会計の地方交付税交付金の減額の補塡22,118(3)地方法人税の税収減に伴う地方交付税原資の減額の補塡4,2216.既定経費の減額▲41,9634.公債金223,950(1)新型コロナウイルス感染症対策予備費▲18,500(1)建設公債38,580(2)その他▲23,463(2)特例公債185,370  合  計154,271  合  計154,2714 ファイナンス 2021 Feb.特 集

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