ファイナンス 2021年2月号 No.663
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大や早いペースでの債務の増大、偶発財務の増加や想定を下回る経済成長等が挙げられており、財政リスクを軽減するため、公的支出の優先順位の見直し、優先度の低いプロジェクトの一時停止、付加価値の低い活動のための支出の削減、財務省単一口座(TSA)の強化、国有企業の剰余金の活用、政府の支払利息削減に向けた国民貯蓄証書(NSC)の改革、スクーク(イスラム債)の導入、不採算国有企業の閉鎖等の対応が必要であるとの説明があった。閉会挨拶阪田渉財務総合政策研究所長より、本フォーラムの発表者、参加者及び共催者への感謝の意が述べられた後、各セッションを振り返り、本フォーラムが出席者にとって自国の強固な景気回復と健全な財政運営に向けた財政政策の策定に資することを期待する旨の本フォーラム閉会の辞が述べられ、3時間あまりのフォーラムが締めくくられた。閉会挨拶をする阪田渉財務総合政策研究所長(おわりに)今回は、短時間ながら、現在アジア各国がCOVID-19感染拡大に伴い直面している財政的な課題について、各国の取組状況の紹介がなされるとともに、質疑応答の時間においても活発な議論が行われ、各国財政担当者及びその他の参加者にとって意義のあるフォーラムとなった。最後に、今回のフォーラムに多大なるご貢献をいただいた、発表者、参加者、共催者であるIMF及びADBIその他関係者の皆様に厚く御礼を申し上げたい。なお、フォーラムのアジェンダおよび発表資料は、財務総合政策研究所のウェブサイト(https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/tff2020.htm)に掲載されている。 ファイナンス 2021 Feb.73シリーズ 日本経済を考える 109連載日本経済を 考える

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