ファイナンス 2021年2月号 No.663
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《チートその19:ポジション》連載第1回、「その5」でサドルの高さを調整したことを覚えていらっしゃいますか?その際には書きませんでしたが、サドルを上げれば、ハンドルも上げない限り、姿勢は前傾します。前を見るには首が疲れるのですが、この前傾姿勢、仕方なく我慢するものではなく、楽するためにこそおススメなのです。まず、体の重心をちょうどいい場所に置きやすくなります。長時間自転車に乗っていると、お尻が痛くなったりしませんか?それは体重をサドルに預けすぎということ。体重は足に乗せるべきで、お尻が痛くなりづらくなりますし、ペダルを押す助けにもなります。前傾姿勢をとれば、上体が脚の上に来ますから、自然に重心を前に移せるのです。次に、空気抵抗を減らせます。「その13」で取り上げた上り坂と並んで自転車できついのは向かい風ですが、これがその最たる例。無風状態でも、スピードが30km/hを超えるあたりから空気抵抗をはっきり感じるようになります。前方投影面積を減らす=前傾姿勢をとって減らすんだ!首が疲れるのは、残念ながら慣れるしかありません。あえて言えば、最初は前傾を浅めにするためハンドルも上げて浅めの前傾とし、慣れるにしたがって段階的にハンドルを下げ前傾を深くしていくと負担は少ないでしょう。サドルの位置はすべての基本になるので、こちらで調整するのはやめましょう、念のため。《チートその20:ペダリング》再びサドル高の話ですが、脚の力を最大限に発揮できるように調整するのは既述のとおり。しかし、できることと、実際にできているかは別の話。街中の自転車乗りを見ると、大きく2つの点で、力をロスしている人がいて、「もったいないなぁ」と思うのです。ガニ股がそのひとつ。足でペダルを押す=脚を伸ばす主力は太もも前面の大腿四頭筋ですが、腹筋・背筋からふくら脛のヒラメ筋まで下半身の筋肉ほとんどが連動するのに、ガニ股では、うまく使えない筋肉が出てきます。足をペダルの一番内側に寄せ膝を外ではなく前に向ける(つま先よりも膝を意識した方が直しやすいかと)、それでもダメなら、ペダルはその真上に据えた膝で押すイメージ(下腿は膝の力を伝える棒のイメージ)を試してみてはいかがでしょうか。もうひとつが上体の揺れ。ペダルを押せば反動が返ってくるので、それを抑え込もうと、右脚で押すときには右に、左脚なら左に、上体が動きがちです。しかしこの場合、体幹の筋力の幾分かが脚にではなく上体に使われているのです。対策としては、ペダルを「踏む」のではなく「押す」、脚を「伸ばす」よう意識しつつ反動を背中で受け止めること。上り坂などで強くペダルを押すため反動も強くなったら、ハンドルを―異世界に転生してチートで活躍ってご都合主義じゃないですか、でも本当にそんなこともあるんですよ!!?自転車通勤「なろう」になろう!?で証券取引等監視委員会事務局総務課長若原 幸雄いよいよ最終回!最後に頼りになるのは自分だけど、この連載ですから、必要なのは苦しい修行なんかじゃなく、楽して勝つるチートだ!4『まず、万が一、ジオルド王子に殺されそうになった時のために剣の腕を磨くのです。いざその時、剣で応戦できれば簡単にやられることはありませんわ!』『おお、確かに!』『それから、もし国外追放されたときに生きていくすべが必要ですわ。なので、ここに魔力を磨くことを提案します』(略)『よし、では皆さん。今後は剣の腕と魔力を磨くということでよろしいですかな』『『『はい』』』山口悟『乙女ゲームの破滅フラグしかない 悪役令嬢に転生してしまった…』50 ファイナンス 2021 Feb.連載自転車通勤で 「なろう」になろう!?

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