ファイナンス 2021年2月号 No.663
40/92

1はじめに令和2年12月、伊藤財務副大臣、中西財務副大臣、船橋財務大臣政務官、元榮財務大臣政務官が、全国9つある税関において実施した年末特別警戒において、それぞれ名古屋税関、横浜税関、函館税関、東京税関を視察しました。2年末特別警戒とは税関職員は、国民生活の安全・安心を脅かす麻薬・覚醒剤等の不正薬物、爆発物等のテロ関連物資、金地金等の密輸を防止するため、全国の港や空港などの水際で24時間、365日、取締りを行っています。毎年12月には税関の役割について広く国民の方々に知っていただくことや、各種団体の方々に不審情報の提供について協力を求めること等を目的として、年末特別警戒を実施し、水際における取締りの強化や税関業務のPRを行っています。この年末特別警戒は、昭和40年から実施しているものですが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態に見舞われている最中での実施となりました。税関を取り巻く情勢としては、コロナ禍においても、国際物流は堅調に推移し、不正薬物等やテロ関連物資、金地金等の密輸リスクは依然として深刻です。不正薬物については、令和元年における税関での押収量が史上初めて3トンを超え、令和2年上半期における摘発件数、押収量はコロナ等の影響もあり減少したものの、コカイン、MDMA等の麻薬及び大麻樹脂等の押収量は増加している状況です。また、本年7月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が迫っており、我が国の水際の第一線にある税関の役割はより一層重要になっています。こうした状況の中で実施された年末特別警戒において、両副大臣、両政務官が税関の現場を視察し、訓示を行い、税関職員を激励しました。3副大臣、政務官の税関視察伊藤財務副大臣、中西財務副大臣、船橋財務大臣政務官、元榮財務大臣政務官は、視察において職員に対し、(1)新型コロナウイルス感染症の拡大という、過去に例を見ない事態に直面している中、職員が、厳正な規律を保ち、旺盛な意欲を持って、水際の最前線で職務に精励していることに、敬意の念を表する。(2)東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が迫っていることから、テロ対策には万全を期すとともに、今後のインバウンドの回復を念頭に、円滑な通関と厳格な取締りを両立し、国民の安全・安心の確保という税関の重要な使命を果たしていただきたい。(3)税関行政は日々国民と直接接する仕事である。国民からの信頼にこたえていくため、日夜懸命に職務に取り組んでいる職員各位に改めて敬意を表するとともに、健康と益々の活躍を祈念する。旨の訓示を行いました。税関の年末特別警戒における副大臣、政務官の税関視察及び激励について関税局監視課調査官 田中 翔36 ファイナンス 2021 Feb.SPOT

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る