ファイナンス 2021年1月号 No.662
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名取市仙台空港は国が管理する空港として、全国で初めて空港運営の民間委託(以下、「民営化」という。)がされた空港であります。民営化には東日本大震災が契機となりましたが、震災からの完全復旧と空港の収益向上への打開策として、宮城県が方針を打ち出しました。民営化に向けては、今後の空港運営方法や民営化までの手続き、スケジュール調整など様々な問題が検討され、平成28年、「仙台国際空港株式会社」が、滑走路維持管理や着陸料収受等の事業を継承したことにより民営化が開始されました。このような国が管理する空港の民営化*2の動きは、空港運営の収益向上に向けた取り組みのトレンドとなりつつあり、現在、仙台空港を含め6空港(高松、福岡、新千歳、旭川、熊本)が民営化されており、今後6空港(稚内、釧路、函館、帯広、女満別、広島)の民営化が予定されております。仙台空港の利用旅客は、国内航路の増加や、国際定期便の就航、仙台アクセス鉄道の開業など、供用開始以来着実に伸びておりましたが、平成11年の338万5千人を境に横ばいが続き、平成23年には東日本大震災の被害を受け、184万6千人まで落ち込みました。その後、路線の再開や「仙台国際空港株式会社」による新規路線の開拓、外国人旅客の増加などを受け、令和元年には過去最高となる371万8千人の利用者を記録しました。しかし、現在は新型コロナウイルスの影響により国内線旅客は急減し、国際線も昨年3月以降運航キャンセルの状態が続くなど、仙台空港に限りませんが全国の空港が大きな打撃を受けている状況にあります。3ソウルフード北海道出身で、宮城県勤務が初めての私がソウルフードを紹介するのは身の程知らずの感はありますが、私が感じたソウルフードを紹介します。それは、「はらこ飯」です。*2) 国が管理する空港以外の空港(第3セクターや県の管理)についても民営化されている空港があり、現在、関西、伊丹、但馬、神戸、鳥取、静岡、南紀白浜の7空港が民営化されている。はらこ飯皆さん「はらこ飯」をご存じですか?「はらこ飯」は、名取市の南にある亘理地方の伝統的な郷土料理で、漁師の祝い膳として食されてきましたが、伊達政宗公に献上したところ、政宗公が大変気に入り、側近等に吹聴したことで広く食べられるようになったと伝えられております。かくいう私は現職に配属になるまで全く知りませんでしたが、食べてみたところ、たっぷりの醤油漬けのイクラと焼き鮭はベストマッチな上、ご飯も鮭の風味がある炊き込みご飯で、もうちょっと若ければ何杯でも食べられそうなくらい美味です。余談ですが、白いご飯の上に鮭とイクラがのっているものは、「鮭いくら丼」だと言われました。そんなソウルフードは、秋から冬の間の季節限定で食することができますが、季節になると飲食店やスーパーなどでも広く販売されておりますので、機会があれば是非ご賞味ください。ちなみに、秋から冬以外のソウルフードを探したところ、こんな料理もありました。ホッキ飯(冬から春)87 ファイナンス 2021 Jan.連載各地の話題

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