ファイナンス 2021年1月号 No.662
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財務総合政策研究所Ministry of Finance, Policy Research Institute1. オンライン時代だからこそ気を付けるべきこと(1)はじめにみなさんこんにちは。松本です。本日は、オンライン時代に対応できる、分かりやすい伝え方、話をする際の勘所についてお話しします。オンライン時代にわかりやすく伝えるということは今までの対面よりもハードルが上がっております。今までは対面ですから、会合の場で相手の表情や動き、場の空気などいろいろな情報が感じられます。しかし、オンライン時代ではそうした情報は入らず、画面の中ですべてを完結させなければなりません。すなわち、映っている2次元の平面的な画像と声だけで理解してもらう必要があります。(2)離脱率を低く!聞き手の気持ちを思い浮かべてみてください。対面では寝るわけにはいきません。でもオンラインでの会議では、寝ていようが何をしていようが構わない。顔が映っている時だけ寝ていないフリをすればよいので、聞き手のモチベーションは低くなります。つまり、オンラインになったことで、離脱率が高まる、つまり気持ちが離れたり、実際にその場からいなくなったりする人が出てくる、そういう状況においても聞かせなければなりません。これがオンライン時代の話し方に求められています。みなさんは「内容が良ければいいだろう」と言いますが、内容が良くても駄目なこともあります。例えば、「何が言いたいの?」「前置きばかりで長いなあ」「見ていて何かいいことある?」という聞き手の反応があるときです。また、これまでの一般的なプレゼンなどでは「いいこと」は最後に出てきますが、動画だと視聴者は最後まで待ってはくれません。中身がよくても聞いてもらえない、というのが今の時代における話すことの難しさです。それを何とか聞いてもらえる、見てもらえるようにしよう、というのが本日のテーマです。(3)テレビ業界のノウハウを何を参考にすればよいかというと、テレビ業界です。テレビ業界は、見てくれないお客さんを振り向かせるために必死で努力してきた業界ですので、テレビで使っているテクニックを生かすことが一つの突破口になると思います。本日は、重要なものから順に4つの項目をお話しします。1つ目は「見続けてもらうための構成・スライド」です。今までのスライドの作り方でいいのですか?ということです。2つ目は「一度聞いただけでわかるコメント作り」です。話していることがきちんとと分かる内容になっているか、ということです。3つ目にようやく「伝わる声の出し方、話し方」が出てきます。4つ目は「カメラとの向き合い方」です。しっかりと見てもらうためには、映り方にも気を配る必要がある、ということです。令和2年9月28日(月)開催松本 和也 氏(株式会社マツモトメソッド 代表取締役)「オンライン時代こそ! 分かりやすく伝えるための勘所」演題講師上級管理 セミナー79 ファイナンス 2021 Jan.連載セミナー

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