ファイナンス 2021年1月号 No.662
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あけましておめでとうございます。令和3年の年頭に当たり、謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、我が国の経済財政運営等につきまして所感を述べさせていただきます。昨年の日本社会は、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けました。今回の感染症でお亡くなりになられた全ての皆様に、心からの哀悼の誠を捧げます。そして、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける医療現場、保健所、介護現場の方々をはじめ、社会を支える多くの方々の献身的な努力のおかげで、今の私たちの暮らしがあります。深い敬意とともに、心からの感謝の意を表します。日本経済につきましても、昨年は、新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けました。経済は依然として厳しい状況にありますが、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」、令和2年度第1次補正予算・第2次補正予算等の政策効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きがみられます。先行きについては、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果等もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染症が内外経済を下振れさせるリスクには、十分注意する必要があります。こうした中で、政府としては、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支えるとともに、ポストコロナに向け、経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻していくため、昨年12月に、新たに「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を策定いたしました。本経済対策は、家計や企業の不安に対処するべく、万全の「守り」を固めるとともに、新たな時代への「攻め」に軸足を移すという、2つの大きな視点からなります。本経済対策を通じて、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するとともに、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図り、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保を進めてまいります。そして、本経済対策を実行するための歳出約19.2兆円を含む、令和2年度第3次補正予算を編成し、「15か月予算」の考え方の下、これと一体のものとして令和3年度当初予算を編成いたしました。コロナ禍にある国民の命と生活を守るため、感染拡大防止に万全を期しつつ、将来の生活を切り拓くため、デジタル社会・グリーン社会や活力ある地方の実現、全世代型社会保障制度などといった中長期的な課題を見据え、着実に対応を進めていく予算としております。具体的には、補正予算による病床・宿泊療養施設の令和3年1月財務大臣年頭所感財務大臣麻生 太郎1 ファイナンス 2021 Jan.

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