ファイナンス 2021年1月号 No.662
36/100

心に、地域活性化のために法令や通達で決められた仕事を超えた取組みを行っている方々によるディスカッションを行いました。オンラインで対談する原田局長今回のテーマは「自治体職員に学ぶTTP」。「TTP」とは、「徹底的にパクる」の略語で、6月のシンポジウムで北川教授が仰っていたことです。「善い取組みは、自治体同士で共有しながら、地方創生につなげていきましょう」という意図が込められています。「パクる」というと、前例踏襲、すなわち前例がないと仕事が出来ないのか、といったように思われがちですが、この言葉の真意は、単なる模倣ではなく、善い事例(善例)を知り、プロセスを共有することで、自分ごととして捉えたときにはじめて、自らの善い取組みにつながっていくということです。人口減少等の課題先進地域である東北の自治体職員が、地域に飛び込んで「ミッションオリエンテッド」する取組みからは、多くの気づきがありました。「まずやってみることが大事。それもただ闇雲にやるのではなく、数字という「ファクト」から、「仮説」を立てて、「アクション」を起こす」。出演した東北の自治体職員は、特別な公務員というわけではありません。私たちも含めて、行政職員として、自分に何が出来るか。実際にアクションを起こしている方からの話は、withコロナという社会変革の中で、既成概念に囚われず自分が行政職員として「TTP」しながら働いていくうえで、多くの気づきを頂きました。また、パネリストの1人である弘前市役所の佐々木絵理さんがリアルタイムで行った「グラフィックレコード」は、対話を見える化する手法として、多くの視聴者の目を奪っていました。対話や議論を可視化する「グラフィックレコード」。シンポジウム当日は、議論した内容をリアルタイムで描いていただきました第1弾からご出演頂いている北川教授も、パネリストである東北の自治体職員の取組みを称賛し、驚かれていました。この第2弾は、「1人の100歩より、100人の1歩」多くの公務員が気づきを得て「ミッションオリエンテッド」の取組みの1歩を踏み出してもらうために企画したものです。これからも地方創生の一翼を担う東北財務局として、地域のために何か出来るか常に考えながら取り組んでいきたいです。3「実施面」でのノウハウについて財務局として全国初のYouTubeライブということで、前例のない取り組みは、試行錯誤の連続でした。このようなシンポジウムは、従前は対面によりホテルで実施をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の第1波が徐々に迫っている時期であったことから、オンラインによる実施や、対面とオンラインのハイブリッドなど様々な手法を検討しました。このシンポジウムは、自治体職員の皆様に見ていただきたい内容であったため、新型コロナウイルス感染症の対応に追われる自治体を巻き込んで、シンポジウムを開催する必要があるのかという意見が内部で起こ31 ファイナンス 2021 Jan.SPOT

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る