ファイナンス 2021年1月号 No.662
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あるか」、「きらっと光るものがあるか」という三条件を満たしているかを見極めることが、いわゆる事業性評価の勘所になります。―ポストコロナに向けて経営改善や事業再生の必要性が高まっています。経営改善や事業再生の局面において念頭に置いておくべきことや提言はございますか。森 信頼関係がないと経営改善や事業再生はできません。信頼関係がなければ、事業者は、金融機関による貸しはがしを恐れ、疑心暗鬼になり、例えば赤字等の重要な情報を提供しません。逆に金融機関は、事業者が粉飾決算をしているのではないかと融資や支援に及び腰になります。既に中小企業用の「中小会計要領」や、経営を可視化する「ローカルベンチマーク」等の道具はそろっているため、あとはいかにそれらを活用するかが課題です。政府の未来投資会議の分科会「構造改革徹底推進会合」(2017年11月14日)でも提言しましたが、中小企業経営者と金融機関との間の信頼関係を打ち立てる基盤となる「信頼関係構築コード」を確立することが「負の循環」からの解放、つまり、わが国の明るい未来創りに資するのではないでしょうか。未来創り全体を俯瞰する財務省への期待は大変大きいです。―本日は、長時間にわたり、大変貴重なお話を拝聴させて頂き、誠に有難うございました。(この勉強会は、令和2年12月11日に行いました。有志メンバーは川本・足立・神代です。)(注) 写真では撮影用にマスクを外していますが、意見交換の際は通常のコロナ感染対策を行っています。意見にわたる部分は有志メンバー個人の意見であって、所属先の見解ではありません。 ファイナンス 2021 Jan.28財務省再生プロジェクト 部局横断的勉強会(1)SPOT

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