ファイナンス 2020年12月号 No.661
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各地の話題4-1災害土砂の仮置場及び海上搬出基地としての活用(無償貸付平成30年7月~11月)災害土砂は、坂町内の公園や小学校等の仮置場に持ち込まれる中、約9万m3にも上る膨大な土砂量となり、更なる仮置場の確保や最終処分場(広島港出島地区)への搬出が喫緊の課題となりました。本件国有地は広島湾に面していたため、その立地を活かし、坂町の「災害土砂の仮置場」としての活用(無償貸付)に加え、隣接する第六管区海上保安本部広島浮標基地(※)の岸壁から災害土砂を最終処分場まで船舶輸送する「海上搬出基地」の一つ(鯛尾地区)としても活用されました。※海上で船舶に航路を知らせる灯浮標を修理保全する基地これにより、当基地における大量の災害土砂の搬出は、災害発生から僅か5か月で完了しました。災害土砂仮置場フェリーバージ船フェリーバージ船第六管区海上保安本部広島浮標基地中国財務局所管普通財産海上輸送広島市広島市最終処分場《広島港出島地区》最終処分場《広島港出島地区》坂町坂町災害土砂搬出経路災害土砂搬出経路位置図位置図配置図配置図〔最終処分場へ〕災害土砂仮置場災害土砂仮置場海上搬出基地(岸壁)海上搬出基地(岸壁)海上搬出基地(鯛尾)《第六管区海上保安本部広島浮標基地》海上搬出基地(鯛尾)《第六管区海上保安本部広島浮標基地》海上搬出基地(鯛尾地区)(国土地理院地図、航空写真を基に作成)4-2資源ごみ受入施設としての活用(無償貸付〈平成30年12月~令和2年12月〉・売払)【被災施設の臨時代替施設】「平成30年7月豪雨」災害では、山間部にある坂町の資源ゴミ等の中間処理・保管施設「リサイクルセンター坂」が全壊しました。このため、災害土砂の搬出が完了した平成30年12月以降、本件国有地には、簡易なコンテナなどが設置され、坂町の「資源ごみ等臨時受入用地」として活用(無償貸付)されています。【新たなリサイクル拠点施設】全壊した「リサイクルセンター坂」のあった地域には、二次災害を防止するための砂防堰堤施設が建設されることとなりました。このため、坂町から新たなリサイクル拠点施設の建設地として本件国有地の一部(1,179m2)を取得したいとの要望があり、令和2年3月に当局から町へ売払処分しました。新たなリサイクル拠点施設(たいびエコセンター)は、令和2年12月からの稼働に向け建設が進められており、従前の施設に比べ、平地のため、トラック搬送が容易であるなど、作業の効率化が図られることとなります。なお、新施設の稼働・臨時代替施設の閉鎖に伴い、本件国有地は、約2年半に及ぶ坂町の復旧・復興事業への活用の役目を終える予定です。旧リサイクルセンター坂(提供:坂町)建設中のエコセンター(令和2年10月撮影)5おわりに中国財務局においては、今後も災害時の復旧・復興支援や地域の街づくりなどに関し、公共団体との連携を深め、地域・社会のニーズに対応した国有財産の有効活用を図ることにより地域貢献に寄与していきたいと考えています。 ファイナンス 2020 Dec.91連載各地の話題

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