ファイナンス 2020年12月号 No.661
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構成する大きな要素の一つです。ストリートアートは、壁崩壊前に西ベルリンにおいて、トルコからの移民やいわゆるパンク等を中心に始まったのですが、その後1970年代後半に関心が高まり、様々なスタイルやテクニックが持ち込まれ発展しました。*14一方で、東ベルリンにおいても、社会的に抑圧された中でも、ある種のストリートアートのようなものがあり、壁崩壊後、東西の文化はミックスされました。*152006年にはユネスコのCity of Design賞を受賞する等、ベルリンは名実ともにストリートアートの街となりました。*16ベルリンではいたるところでストリートアートを見ることができるのですが、特にイーストサイドギャラリーという、ベルリンの壁に数多くのアーティストがアートを施したものは本当に圧巻で、ワルシャワ通り駅から東駅までの一駅分にわたって数多くの作品を見ることができます。なお、冒頭で、ベルリンから産業が撤退してしまったと述べましたが、現在では、このクリエイティブさを生かした産業の中心地としてベルリンは栄えるようになりました。すなわち自由な文化や、国際的な人材の多さ、安価な家賃(※これについては残念ながら現在年々高騰しているところですが)等は、起業家に*14) https://www.berlin.de/kultur-und-tickets/tipps/kunst/streetart/4393322-4376139-streetart-geschichte-in-berlin.html#:~:text=Streetart%20gelangte%20in%20den%201970er,machten%20sie%20sich%20zum%20Ausdrucksmittel.&text=In%20den%201970er%20Jahren%20schlie%C3%9Flich,%2DBewegung%20inspirierte%20Grafti%2DSzene.*15) 同上*16) 同上*17) https://www.sueddeutsche.de/bayern/coronavirus-bayern-rueckblick-januar-februar-1.4794769とって非常に魅力的であり、この街で多くのスタートアップ企業が生まれ、活動しています。4. ドイツと新型コロナウイルス感染症対策(1) ドイツにおける新型コロナウイルス感染症事情ドイツにおいては、1月27日に初の新型コロナウイルス感染者が出ましたが*17、流行が拡大したのは3月中旬以降でした。拡大のスピードは非常に早く、それに合わせて政府が各種の規制を行なって以来、街の雰囲気はがらりと一変しました。スーパーマーケットとドラッグストア等の一部を除いて、店は全て閉まり、街からは人が消え、唯一空いているスーパーマーケットやドラックストアー等からは消毒液やトイレットペーパー等が消え、他の商品も品薄になりました。ニュースでは、イタリアやスペイン等のひっ迫した状況の報道をはじめとして、一日中新型コロナウイルスの話ばかりが流れるようになりました。その後3月中は感染者の数は非常に大きかったものの、3月末に6,000人を超える感染者を記録した後は、4月以降新皆様お待ちかね、現地の食べ物をご紹介できればと思います。もちろんドイツには白アスパラガス(Weißer Spargel)やフェダーヴァイサー(Federweißer)等、季節の食べ物もあるのですが、せっかくベルリンのお話をした後なので、ベルリンの食べ物をご紹介させて頂きます。べルリンの屋台料理の定番と言えば、カリーブルスト(Curry Wurst)です。これはソーセージにケチャップとカレー粉等をかけたものであり、通常フライドポテトやパンと一緒に食べます。実は、カリーブルストの本家がベルリンなのか、そうでないのかについて議論もあるらしいのですが、ここではベルリンが発祥ということにしておければ幸いです。カリーブルストのお店や屋台はいたるところにあり、結構お手軽な値段で食べることができるので、小腹がすいたときに重宝しています。下はアレクサンダー広場(Alexander Platz)駅構内のカリーブルスト屋さんのカリーブルストです。コラム ドイツのストリートフード52 ファイナンス 2020 Dec.連載海外 ウォッチャー

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