ファイナンス 2020年12月号 No.661
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界20か国を対象に、近年の話題作から定番アニメ、クラシックまで、全30作品の多様な日本映画を無料で配信(現地語字幕付)を予定しています。(https://j.jpf.go.jp/)」と語る。(1)ASEAN諸国まずは、過去数年ASEAN域内でもトップクラスの成長率を達成しているベトナム。日本でも知られているベトナムの映画というと「青いパパイヤの香り」(1993年)(カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞したベトナム出身のトラン・アン・ユン監督のデビュー作。サイゴンの資産家の家に奉公人として雇われた10歳の少女ムイと資産家一家との交流と淡い恋を描く。アカデミー賞外国語映画賞にもノミネート。)か。そのベトナムでは、2019年11月ホーチミン、12月にハノイで「JFF2019」を開催。2019年に公開された新作を中心に「マスカレード・ホテル」(2019年、鈴木雅之監督、木村拓哉、長澤まさみ出演、東野圭吾のベストセラーの映画化)など9作品を英語、ベトナム語の字幕付きで上映。JFFのプロデューサー許斐は、「東南アジアの多くの国では自国の映画にも英語の字幕があるので外国人でも映画を楽しめます。日本でも英語の字幕があれば、在日外国人や観光客のエンターテインメントになり、日本の映画ファンを増やせるはずです。」と語る。ベトナム名物、生春巻き人口2億7千万人と世界第4位、世界一の親日国とも言われるインドネシアでも「JFF2019」を2019年11月に開催。ジャカルタなど5都市で日本映画13作品のほか、インドネシア映画1作品上映。「シティハンター」(スイーパー・シティハンター冴羽獠と、そのパートナー・香のドタバタコンビのアクションコメディ)の漫画家、北条司がセリフのない短編映画を1本の映画に編集したオムニバス映画「エンジェルサイン」の総監督。北条総監督はトークイベントで「字幕も吹き替えも必要ないこの映画は、言語の壁を越え、世界中で同時に楽しんでもらえると思う。」と語り、石井正文駐インドネシア大使は、「日本人とインドネシア人は考え方や感じ方がすごく似ていると思う。日本の映画を観て、インドネシア人も日本人と同じように楽しめるのではないかと思う。純粋に映画を楽しんでほしい」と語る。この他、2019年にASEANではフィリピン、タイ、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、ラオスでも日本映画祭を開催。(2)オーストラリアハリウッドの映画製作会社の多くはコストの安いオーストラリアに撮影所を持ち、ニューヨークが舞台の「マトリックス」もロケはシドニー。日本映画でも2004年の邦画興行収入1位、「セカチュー」として知られる「世界の中心で愛をさけぶ」のラストシーンはエアーズロック。「JFF2019」は2019年9月からキャンベラ、シドニー、メルボルンなど8都市で開催。「ブルーアワーにぶっ飛ばす」(CMディレクター・箱田優子監督、上海国際映画祭アジア新人部門で最優秀監督賞と優秀作品賞受賞。祖母を見舞いに故郷へ帰ることになった30歳のCMディレクターのすさんだ心が和んでいく物語。)など38作品を上映。(3)中国人口13.9億人、アメリカに次ぐ世界第二の映画市場、外国映画の商業上映本数に制限がある中国でも日本映画を楽しむ機会を提供するため、2017年「日中国交正常化45周年」、2018年「日中平和友好条約締結40周年」の節目を記念し、日中両国で互いの映画を紹介する映画上映会を開催、2019年度も中国4都市(北京、済南、広州、シンセン)で「ザ・ファブル」(一年間、一般人として普通に暮らせと命じられた岡田准一主演の伝説の殺し屋の話。)などの日本映 ファイナンス 2020 Dec.35サヨナラ、サヨナラ、サヨナラSPOT

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