ファイナンス 2020年11月号 No.660
86/90

丹波丹波焼最古の登窯(明治28年築窯)3春日局生誕の地「興禅寺」と黒井城跡丹波市には、江戸幕府三代将軍徳川家光の乳母であり大奥の礎を築いた春日局の生誕地として知られている戦国時代の山城「黒井城」の下館(平常時の住居)跡である興禅寺があります。境内には春日局の産湯の井戸や腰掛け石などが残り、幼い日の春日局をしのぶことができ、また、七間濠や野面積みの高石垣、白い塗り塀が当時の風情を今に残しています。背後の黒井城跡(標高356m)は、典型的な戦国時代の山城跡と高い評価を受けており、山頂からの展望はすばらしく、別名を「保月城」といいます。秋から冬にかけては黒井城跡から雲海を眺めることができます。興禅寺4丹波杜氏丹波杜氏は、日本三大杜氏の一つに数えられています。丹波杜氏の供給地は多紀郡(現丹波篠山市)の村々で、元禄時代から農閑期の「出稼ぎ」により生活の糧を得ていました。「灘のお酒はどなたがつくる おらが自慢の丹波杜氏」とデカンショ節にも唄われているとおり、「丹波流」と言われる高度な酒造技術により、灘五郷の酒造りを支え、最盛期(明治38年)には、600人の杜氏がいたとされています。また、丹波杜氏の酒造技術の向上、労働条件の統一を目的に、全国で初めての酒造組合が設立され、その後、「丹波杜氏組合」へと発展しました。現在、同組合には、杜氏43名、蔵人65名が所属し、主に兵庫県下の酒蔵において、酒造りに従事しています。丹波焼の猪口と管内醸造銘柄5秋の丹波はおいしい丹波〇 ぼたん鍋郷土料理百選にも選ばれる「ぼたん鍋」は、猪の狩猟が解禁される11月中旬から食べることができますが、旬は猪の脂が乗り始める12月のはじめから年末までといわれています。管内には、個性豊かな味わいを提供する店舗が複数あります。ぼたん鍋(牡丹様の盛付け)82 ファイナンス 2020 Nov.連載各地の話題

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る