ファイナンス 2020年11月号 No.660
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補正予算は1次、2次合わせ 約57兆6,000億円に達した新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、政府はさまざまな対策を講じている。まず、1月30日にはコロナ対策本部を、2月14日には専門家会議を設置。その後、3月28日は基本的対処方針が決定され、4月30日には、過去最大規模となる約25兆7,000億円の一般会計の1次補正予算を決定した。さらに、6月12日には、1次を上回る約32兆円の2次補正予算を決定し、合計約57兆6,000億円の経済対策が講じられることとなった(図表1)。補正予算を執行するには、資金調達が必要になる。政府の予算は、各年度の歳入と歳出を年度を通じてみれば均衡するように決定される。その歳入の財源は主に税収などや国債発行によって賄われているが(図表2)、コロナ対策として歳出を増やした分については、国債発行計画を見直して国債を追加発行し、資金調達をする必要があった。図表1コロナ対策の動きコロナ対策本部等の動き経済対策・予算関連~5月コロナ対策本部設置(1/30)専門家会議設置(2/14)基本的対処方針決定(3/28)緊急事態宣言(4/7)緊急事態宣言解除(5/25)R2補正予算① 成立(4/30)予備費使用 閣議決定(5/19)(学生支援緊急給付金の創設)予備費使用 閣議決定(5/26)(診療報酬上の特例的な措置、医療機関へのマスク等の配布)6月R2補正予算② 成立(6/12)7月今後の財政運営について(7/2、財審)骨太2020 閣議決定(7/17)令和3年度 予算の概算要求の具体的な方針について(7/21、財務大臣発言)中長期試算 諮問会議提出(7/31)8月新型コロナウイルス感染症に 関する今後の取組(8/28)予備費使用 閣議決定(8/7)(持続化給付金の対応強化、個人向け緊急小口資金等の特例措置、入国者に対する検疫体制の強化)9月予備費使用 閣議決定(9/8)(ワクチンの確保)予備費使用 閣議決定(9/15)(医療提供体制の確保等)概算要求締切(9/30)出所:財政制度等審議会財政制度分科会(令和2年10月1日開催)資料「財政総論」より図表2国庫金の受払税収、その他収入政府短期証券(FB)発行国債発行(借換債を含む)・(長期)借入国庫の一時的な資金不足を賄うための調達地方交付税、一般歳出、年金支払等国債償還・(長期)借入金返済歳出需要を賄うための調達〈払〉〈受〉(民間)国庫4月から6月までの国庫資金繰り政府短期証券の発行と国庫全体の資金繰りの見直しで補正予算の支払資金を準備 ファイナンス 2020 Nov.3新型コロナに対応した資金調達と債務管理短期の資金繰りからアフターコロナを見据えた国庫・債務管理まで特集

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