ファイナンス 2020年11月号 No.660
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共に作業部会の共同議長として主導的な役割を果たしてきた。例年、財務大臣会合のマージンにおいて作業部会の会合を開催しており、今回は財務大臣会合と同日にバーチャル会議形式で開催し、災害発生時のインフラオペレーション等に係るレポートの作成、災害リスクファイナンス・保険の分野への最新技術の活用に係るレポートの作成、大災害債券(キャットボンド)に係るワークショップの開催といった今年の取組の総括を行った。会合の最後、岸副財務官は、災害リスクファイナンス・保険の技術をより広いリスクに応用することへの関心は高く、新型コロナウイルスのパンデミックを踏まえ、パンデミックリスク等の新興リスクを取り込むことにより作業領域を拡大することは検討に値する旨を述べた。4次回会合について2021年の議長国であるニュージーランドから、・来年のAPEC財務大臣プロセスは例年通りのスケジュールに近づけつつ、全ての会合をバーチャル形式で実施すること・新型コロナウイルスは来年も引き続き鍵を握るテーマとなることが予測され、財政政策及び予算枠組みに焦点をあてること・セブ行動計画(※)完了のための新戦略を議論すること等が伝えられた。新型コロナウイルスの影響からの回復を加速させるため、引き続き各分野で活発な取組が進められることが期待される。我が国としても、災害リスクファイナンス・保険をはじめ、幅広いトピックで積極的に取組に貢献していきたい。(※)セブ行動計画セブ行動計画は2015年APEC財務大臣会合の成果物。柱(pillar)ごとに定められたいくつかの政策について、2025年までに各エコノミーでの実施を慫慂する計画。2016年に採択された「実施戦略」に基づき、各エコノミーは期間(2016~2018、2018~2020)ごとにそれぞれ政策を1~3個選択し実施している。 ファイナンス 2020 Nov.17第27回APEC財務大臣会合についてSPOT

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