ファイナンス 2020年10月号 No.659
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1はじめに大分県は、九州の北東部に位置し、北側は周防灘に、東側は伊予灘、豊後水道に面していて、18の市町村(14市3町1村)から構成され、総人口は約113.3万人(R1.12.1現在)であり、県庁所在地及び最大の都市は大分市で、人口は約47.9万人です。大分県の特色は、温暖な気候に恵まれ、海や山などの豊かな自然、その中で育まれた新鮮で安全な食材、宇佐神宮や六郷満山、国宝臼杵石仏をはじめとした磨崖仏などの貴重な歴史的文化遺産など多くの地域資源があります。また、県内全域に広がる温泉は、日本一の湧出量と温泉数を誇り、地球上にある10種類の泉質のうち8種類を有していて、「日本一のおんせん県おおいた」をキャッチフレーズに全国へアピールしています。更には、「The・おおいた」ブランドとして、関あじ・関さば、豊後牛などの高級食材をはじめ、かぼすやしいたけなど四季折々の食材も満載です。2大分港と大分税関支署(1)大分港のはじまり大分港の歴史を遡ると、時は戦国時代、大分では大友宗麟が大友家第21代の当主となると、フランシスコ・ザビエルを豊後府内(現大分市)に招いて会見し、それ以降、多くのポルトガル人宣教師が豊後府内を訪れるようになり、南蛮貿易が始まりました。さらに宗麟は南蛮貿易にとどまらず、自ら積極的に中国や東南アジアとの交易も行っていました。宗麟の「進取の精神」により推進された国際貿易は、豊後府内の都市に空前の繁栄をもたらしたそうです。大分市神宮寺浦公園内にある南蛮貿易場址の石碑(資料提供:大分市観光協会HP)現代に入り、大分港は昭和34年に海岸線の埋め立て工事を始め、水深の深い天然の良港と豊富な水資源などにより、製鉄業、石油関連企業などの大手企業が進出、昭和39年には大分市が新産業都市に指定されると、さらに企業の進出が進み、九州唯一の石油化学コンビナートと鉄鋼会社を中心とした大分臨海工業地帯が形成されました。(2)大分税関支署大分県の税関は、明治32年4月に長崎税関大分監視署として設置され、その後の時代の変遷とともに体制を変えつつ、昭和46年4月に門司税関大分税関支署となり、現在に至っています。大分税関支署は、大分臨海工業地帯のほぼ中央に位置し、県内全域を管轄しています。管内には支署出張所として、佐伯出張所、津久見出張所、大分空港出張所の3つの官署があります。昨年における大分港の主な輸出品は、鉄鋼、銅及び同合金、有機化合物であり、輸出額は約6,901億円(九州4位、全国20位)、また、輸入品は、銅鉱、原GoToおんせん県 おおいた門司税関大分税関支署次長藤井 浩巳大分74 ファイナンス 2020 Oct.連載各地の話題

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