ファイナンス 2020年10月号 No.659
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各地の話題山形秋の風物詩・日本一の芋煮会フェスティバル4山形市内の名所芋煮の話が熱くなり煮詰まり過ぎたが、続いて山形市に来られた際は、ぜひ訪れてもらいたい場所をご紹介する。1.蔵王馬見ヶ崎川の上流には、蔵王ダムがあり、その背後には、山形・宮城両県にまたがる標高1,841mの熊野岳を主峰とする蔵王連峰が鎮座する。そこには国内屈指のスキー場「蔵王温泉スキー場」や、その麓には「蔵王温泉」があり、それらの魅力はもちろんだが、真冬に見られる「蔵王の樹氷」は圧巻である。その形状から「エビのしっぽ」と呼ばれる樹氷だが、次のようなメカニズムで生まれている。真冬に大陸から吹き寄せる季節風は、日本海の対馬暖流(冬でも10度前後と温かい)との気温差により多くの水蒸気を発生させ、大量の雪を生み出す。山形盆地の隣の朝日連峰で多量の雪を降らせ、その後、蔵王連峰で再び雪を降らせるのだが、その時、雲の中は、多くの雲粒が0度以下でも凍らない過冷却水滴となり、雪と混ざり合った状態であり、その雲粒が北西からの風(平均風速10~15m/s、平均温度−10~−12℃)によって吹雪となり蔵王の常緑針葉樹であるアオモリトドマツに着氷、着雪し樹氷となる。蔵王の樹氷が生まれる工程また、蔵王の樹氷は、その姿から「スノーモンスター」とも呼ばれ、氷と雪の造形美は、一見の価値がある。見頃は1月下旬~3月初旬頃であるが、これだけ樹氷の素晴らしさを語った後に恐縮だが、当然のことながらこの時期は、気温が低く雪も吹雪く真冬であり、写真のような好天時に樹氷を見ることが出来るのは稀である。蔵王に30回以上行っている私でも片手で数える位しかない。また、ロープウェイが辿り着く地蔵山頂駅(1,661m)は、マイナス10度以下の時が多いロープウェイ車窓から望む樹氷原パノラマ ファイナンス 2020 Oct.71連載各地の話題

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