ファイナンス 2020年10月号 No.659
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各地の話題税関山形出張所と 芋煮文化の山形路東京税関酒田税関支署山形出張所長藤田 公也1はじめに「えっ山形市内に税関があるんですか?」名刺交換の際、時々言われることがある。東京税関酒田税関支署山形出張所は、山形県内陸部の輸出入貨物の通関手続き及びそれら貨物を蔵置する保税蔵置場(10か所)を管轄する内陸の通関拠点(インランド・デポ)として、平成2年(1990年)、全国217番目の税関官署として設置され、今年で開設30周年を迎える。管轄区域は、山形市をはじめとする10市5郡であり、山形空港に入港する海外からのチャーター便対応も酒田税関支署や東京税関本関からの応援を受け、実施している。管轄内の主な輸出入貨物は、地元企業の電気機器、電子部品、自動車関連品、食料品原料等であり、酒田港をはじめ、新潟港、仙台港、京浜港、成田空港及び羽田空港を経由し、海外との貿易を行っている。「税関」と言えば、海港や空港にあるイメージが強い。そのため、山形出張所が入居する山形市緑町に所在する「山形地方合同庁舎」屋上の「税関旗」について、以前、市民から地元のテレビ局に「日の丸に似たあの旗は何の旗?」と問い合わせがあり、当時の所長が取材対応したことがある。それ以降、地元では、「山形の税関」として、ある程度の認知度は上がっているような気がしているが、引き続き地域の方々へ税関をアピールしていきたい。2県都・山形市山形市は、奥羽山脈・蔵王山系から扇状に広がった山形盆地の東側に位置するかつての城下町であり、その礎を築き整備したのは、当時57万石を領有していた最上家11代当主・最もがみ上義よしあき光公(1546-1614)とされる。同市は、山形県の県庁所在地であり、人口約25万、県人口の約4分の1が集まる県内最大の都市である。東京から来た出張者の中には、山形市内は夜が暗い…と嘆く方もいるが、県内の他の市町村に比べれば、夜も懐中電灯無しで歩けるくらいのかなり“明るい”街である。気候は、周りを山に囲まれた盆地特有の「夏暑く、冬寒い」が特徴であり、1933年7月に40.8度という国内最高気温を記録し、2007年8月、熊谷市、多治見市が40.9度を記録するまでの74年間、日本一の最高気温を記録し続けていた。その関係もあり、冷やしラーメンや冷たい肉そば、冷やしシャンプー、今年に入ってからは冷やしマスクも登場し、「冷やし」文化が定着している。ちなみに、山形市はラーメンの一世帯当たりの年間支出額が日本一であり、米どころでありながらラーメン好きな人が多く、蕎麦屋にもラーメンが普通に存在し、最近では、蕎麦つゆ(スープ)にラーメンの麺が山形市山形地方合同庁舎 ファイナンス 2020 Oct.69連載各地の話題

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