ファイナンス 2020年10月号 No.659
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〈材料〉 鶏もも肉2枚(皮を外し一口大に切る)、玉ねぎ中1個(縦半分に切ってから切り)、人参中半本(皮をむき拍子木に切る)、きゃべつ1/4(食べやすい大きさに切る)、椎茸4個(石突を取り、縦に4等分)、合わせ調味料:味噌(赤味噌がよい)大匙5、醤油大匙1、酒50CC、砂糖大匙2、おろし生姜大匙1、おろしにんにく大匙1、一味唐辛子小匙1(1)鶏肉を合わせ調味料に漬けておく。(2)ホットプレートを熱し、鶏皮を焼いて脂を出す。皮がきつね色になったら取り出す。(鶏ちゃん焼きでは、ホットプレートに蓋はしないほうがよい。野菜や肉から水分が出るので水っぽくなるからである。具の量が多くて蓋をしないと火力が足りない場合も、蓋をずらして水蒸気を逃がすようにした方がよい。)(3)鶏肉を合わせ調味料から取り出して火が通るまで焼く。(調味料は取っておく。)(4)玉ねぎ、にんじん、椎茸を加え、よく混ぜてから2分焼く。(5)キャベツを加え、残った調味料を加えて混ぜながら3~4分焼き、全体に火が通っていれば完成。好みで七味や粉山椒を振って食す。 * もやしや長ねぎ、えのき茸などを入れてもよい。鶏レバーなどを入れてもうまい。上記では、家の者が鶏皮を好まないので皮を外したが、もちろん外さなくてもいい。** 鶏ちゃん焼きの名称の由来は、豚肉の内臓料理である「とんちゃん」をもじったとする説が有力なようである。鶏けいちゃん焼きのレシピ(4人分)すべてのやくざは、すべての堅気の衆に負い目があり、すべての大人は、すべての子どもに負い目がある。ただ、それを自覚するかどうかが、良い人間と悪い人間との違い」であると論じている。本書の著者山折は、「任侠道、町人道、武士道をつらぬいて変わらぬ主題とは…日本人のヒューマニズムの原形質」であるとし、「それが弱者への無限の負い目を担いつづける心的傾向性」であるとしている。その原罪と負い目の意識は含羞というメンタリティーと密接不可分のものであったろう。著者の思いを私なりに受け止めて、言わずもがなのことを言えば、含羞という言葉が死語になりつつある現在、世の中から負い目という観念が消え、臆面もない権利主張や外罰的な責任追及に溢れているのを見ると、今や我々は「純乎たる日本人の生き方」を喪失しつつあるのではないかと思う。因みに、本書の副題は「長谷川伸と日本人のこころ」とある。まさに然り。68 ファイナンス 2020 Oct.新々 私の週末料理日記 その41連載私の週末 料理日記

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