ファイナンス 2020年10月号 No.659
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そもそも割引債の価格は満期で100円になる債券をrで割り引いた値になるため、P=100(1+r)10となります。この式を上記の式に代入すれば下記が導出でき、10年の割引債のマッコーレー・デュレーションが年限である10と一致することが確認できました。DMac=10また、マッコーレー・デュレーションと修正デュレーションの関係はD=DMac/(1+r)でしたから、10年の割引債の修正デュレーションは下記のようになり、年限を金利で修正していることが分かります。D=101+r参考文献[1].菅和聖・倉知善行・福田善之・西岡慎一(2012)「わが国生命保険会社のバランスシート構造と国債投資」日銀レビュー 2012-J-16[2].ブルース・タックマン(2012)「債券分析の理論と実践(改訂版)」東洋経済新報社[3].日本銀行(2019)「金融システムレポート」[4].服部孝洋(2019)「イールドカーブ(金利の期間構造)の決定要因について―日本国債を中心とした学術論文のサーベイ―」ファイナンス10月号、41–52.[5].服部孝洋(2020a)「日本国債先物入門:基礎編」ファイナンス1月号、p.60–74.[6].服部孝洋(2020b)「国債先物オプション入門―オプション市場からみた金利リスクについて―」ファイナンス4月号、p.38–42.[7].ジョン・ハル(2008)「フィナンシャルリスクマネジメント」ピアソンエデュケーション[8].中対剛・村田大介(2018)「イギリスの平均償還年限とその背景-国債の需要と供給両面からの分析-」PRI Discussion Paper Series (No.18A-09)[9].Macaulay, F. (1938) The Movements of Interest Rates, Bond Yields and Stock Prices in the United States Since 1856. National Bureau of Economic Research, New York. ファイナンス 2020 Oct.65シリーズ 日本経済を考える 105連載日本経済を 考える

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