ファイナンス 2020年10月号 No.659
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今や香港でもディズニーが1位「アベンジャーズ/エンドゲーム」31.4億円、2位「トイ・ストーリー4」12.5億円、4位「キャプテン・マーベル」10.7億円、6位「アラジン」8.4億円、7位「アナと雪の女王」7.8億円、9位「ライオンキング」5.4億円と強く、3位にソニーの「スパイダーマン/ファー・フローム・ホーム」12.0億円、5位にワーナーの「ジョーカー」8.6億円、8位に20世紀フォックスの「アリータ:バトル・エンジェル」6.5億円、10位にユニバーサルのワイルド・スピード/スーパーコンボ5.3億円とすべて米国映画。日本関係の映画は「アリータ:バトル・エンジェル」が8位にランクイン。(2019年香港でのトップ10 キネマ旬報2020年3月下旬特別号より作成)1位アベンジャーズ/エンドゲーム31.4億円ディズニー2位トイ・ストーリー412.5億円ディズニー3位スパイダーマン/ファー・フローム・ホーム12.0億円ソニー4位キャプテン・マーベル10.7億円ディズニー5位ジョーカー8.6億円ワーナー6位アラジン8.4億円ディズニー7位アナと雪の女王7.8億円ディズニー8位アリータ:バトル・エンジェル6.5億円20世紀フォックス9位ライオンキング5.4.億円ディズニー10位ワイルド・スピード/スーパーコンボ5.3億円ユニバーサル(9)インド古くは、1957年のヴェネチア国際映画祭でインド映画「大河のうた」が金獅子賞受賞。「賞を逃した黒澤明監督は「『蜘蛛の巣城』がヴェネチア国際映画祭で『大河のうた』に負けた時、これは当たり前だと思ったよ。」と語ったという。ヒンディー語の映画は「ボリウッドフィルム」と呼ばれ、多言語別に映画が作られることもあり、作品数、観客動員数は世界一の映画大国。「興収総額も194億8千万ルピー(1,686億円)と初めて千億ルピーを超え」、「ついにインドで、ハリウッド映画が興収1位となった。「アベンジャーズ/エンドゲーム」、外国映画で初めて」。とはいえ、興行トップ10の他の9本はいずれもインド映画で興行収入の85%はインド映画。インドの場合はメイン言語の表示があり、ヒンディー語が2位、4から8位を占め、テルグ語が3位と10位を占める。トップ20位までに日本関係の映画は入っていない模様。3日本の映画業界「映画産業は、約2,000億円の市場規模を有しており、長く、アメリカに次ぐ世界第二位の市場として、世界マーケットの中でもその存在を示してきた。しかしながら、昨今、台頭する中国市場にその地位を明け渡すこととなり、また、日本映画の輸出額も微増減はするものの、ここ数年はほぼ横ばい」とされる。最盛期1958年には年間11億人以上が映画館に足を運んだが、テレビの普及等とともに「映画館入場者数は10年間で4分の1、20年間で7分の1に激減」。1996年の1億1,957万人をボトムに、その後、若干盛り返し、昨年は久しぶりに1億9,491万人と2億人に迫ったという。日経業界地図によると、日本の映画業界では、国内では東宝、松竹、東映の大手3社が制作と配給で大きな存在感。大手3社は都心部に優良不動産を持ち、映画事業を支える収益源という。実際、銀座の歌舞伎座タワーは松竹が、日比谷シャンテは東宝がオーナーだし、有楽町マリオンのオーナーには松竹、東宝も名を連ね、松竹の2020年2月期の決算短信によると不動産のセグメント利益は演劇や映画よりも多い。(松竹がオーナーの歌舞伎座タワー)この他、アニメはスタジオジブリのようなアニメーション制作会社も供給し、洋画は、ワーナーブラザーズやディズニー、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントといった米メジャー系の制作配給会社が配給し、興行は、大手3社系などの別会社が担うという。一方で、米国のネットフリックスやアマゾン・ドット・コムといった有料動画配信勢の台頭で、既存の映画業界に大きな地殻変動が起きているという。スタジ ファイナンス 2020 Oct.35サヨナラ、サヨナラ、サヨナラSPOT

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