ファイナンス 2020年10月号 No.659
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(6)イタリアベネチア国際映画祭の国。日本でもおなじみのイタリア映画と言えば、イタリア製の西部劇、マカロニウェスタンか。マカロニウェスタンブームを作った「荒野の用心棒」で一躍トップスターに駆け上がったクリント・イーストウッドも当時は、まだハリウッドで売り出し中の俳優だったという。興行収入は、ここでも1位の「ライオンキング」47.1億円、2位の「アベンジャー/エンドゲーム」36.9億円、4位の「アナと雪の女王2」22.0億円、5位の「アラジン」18.8億円、7位のアンジェリーナ・ジョリー主演の続編「マレフィセント」15.1億円、10位のアニメの実写版「ダンボ」13.6億円とディズニーが強い。この他、ワーナーが3位「ジョーカー」35.7億円、8位クエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・デカプリオ、ブラッド・ピット主演の1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」14.5億円、9位「スパイダーマン:ファー・フローム・ホーム14.3億円は米国映画で、「バラエティ豊かな国内映画が健闘」したというが、トップ10で見れば、イタリア映画は6位の「Il Primo Natale」(はじめてのクリスマス)(聖書をモチーフにした、泥棒とそれを追いかける神父が紀元0年のユダヤにタイムスリップするという物語)16.3億円のみ。(2019年イタリアでのトップ10 キネマ旬報2020年3月下旬特別号より作成)1位ライオンキング47.1億円ディズニー2位アベンジャー/エンドゲーム36.9億円ディズニー3位ジョーカー35.7億円ワーナー4位アナと雪の女王222.0億円ディズニー5位アラジン18.8億円ディズニー6位Il Primo Natale(はじめてのクリスマス)16.3億円イタリア映画7位マレフィセント15.1億円ディズニー8位ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド14.5億円ワーナー9位スパイダーマン:ファー・フローム・ホーム14.3億円ワーナー10位ダンボ13.6億円ディズニー日本関係の映画のランク入りはない模様。「映画館での上映に先行する映画の動画配信を禁止する「反ネットフリックス法」が2018年末に施行されるなど動画配信に反発する映画人の運動が根強い」という。(7)韓国国家的振興策で海外展開。2019年5月のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールとなった「パラサイト 半地下の家族」(その日暮らしの貧しい家族とIT企業のCEOの家族との出会いから始まる物語)が今年2月に英語以外で初めてアカデミー賞作品賞を獲得。韓国映画100周年の2019年は、1年間の全体観客数も歴代最高の2億2,668万人を記録し、「パラサイト 半地下の家族」をはじめとした大作に沸いた年 歴代最高の観客動員を記録」という。ディズニーをはじめとする米国映画が上位を占める欧州と異なり興行収入1位「エクストリーム・ジョブ」(解散の危機に直面した麻薬捜査班が捜査のカムフラージュのために始めたチキン店が大繁盛するという犯罪捜査物とコメディの融合)131.2億円、歴代2位となる1626万5,658人の観客動員、5位「パラサイト 半地下の家族」80.7億円、6位「EXIT」(高層ビル群を舞台にしたサバイバルパニック)74.5億円、8位「白頭山」(イビョンホン主演、朝鮮半島を飲み込む未曾有の災害を防ぐために立ち向かう人々の物語)49.7億円と韓国映画4つがトップ10入り。とはいえ、ディズニーはここでも強く、2位「アベンジャーズ/エンドゲーム」114.9億円、3位 「アナと雪の女王2」104.9億円、4位「アラジン」100.5億円、9位 「キャプテン・マーベル」48.4億円を占め、その他、米国映画はソニーが7位 「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」64.9億円、ワーナーの「ジョーカー」が50.5億円で10位。日本関係の映画は、「アリータ:バトル・エンジェル」が17.5億円で28位にランクイン。(2019年韓国でのトップ10 キネマ旬報2020年3月下旬特別号より作成。10位の金額が8位より多いのは、キネマ旬報記載のとおり。)1位エクストリーム・ジョブ131.2億円韓国映画2位アベンジャーズ/エンドゲーム114.9億円ディズニー3位アナと雪の女王104.9億円ディズニー4位アラジン100.5億円ディズニー5位パラサイト 半地下の家族80.7億円韓国映画6位EXIT74.5億円韓国映画7位スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム64.9億円ソニー8位白頭山49.7億円韓国映画9位キャプテン・マーベル48.4億円ディズニー10位ジョーカー50.5億円ワーナー(8)香港日本で香港映画と言えば、ブルース・リーやジャッキーチェンか。「長年、ハリウッド映画に勝るとも劣らぬ興行力を誇ってきた香港映画だが、昨年、興行収入上位10本に入った作品は1本もなかった。」という。34 ファイナンス 2020 Oct.SPOT

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